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デビュー50周年、さだまさしが語るライブ論「ステージがなかったら、ここまで生きてくるのは大変だった」

2023/07/21 08:30

さだまさし
さだまさし撮影=友野雄

デビュー50周年を迎えたさだまさしが、「さだまさし 50th Anniversary コンサートツアー 2023 ~なつかしい未来~」を開催中。6月30日に東京・国際フォーラム ホールAで開催された「工務店ナイト」は、7月30日(日)にWOWOWプラスにて独占放送が決定した。 1973年にフォークデュオ・グレープとしてデビューし、1976年にソロへ転向。71歳の現在も今なお第一線を走り続け、日本最多回数のソロコンサートを開催してきたアーティストであるさだに、ライブを精力的に行う理由や、コロナ禍を経て実感したライブの力について語ってもらった。また、ドラマ出演やナレーション、ラジオパーソナリティーなど、多様なフィールドへの進出についても聞いた。

セットリストの異なる4公演、「僕が大変だとお客さんが喜ぶんで(笑)」


──6月からスタートしたコンサートツアー「50th Anniversary コンサートツアー 2023 ~なつかしい未来~」。最初の大阪、東京、愛知では「一夜 グレープナイト」「二夜 工務店ナイト」「三夜 管もナイト」「四夜 弦もナイト」という内容の異なる4公演が行われるそうですね。

9月から全国を回るんだけど、その前に特別なコンサートをやろうと思って。「一夜 グレープナイト」はグレープの曲だけ、「二夜 工務店ナイト」はいつものバンド“さだ工務店”と一緒にやるライブで、「三夜 管もナイト」は管楽器を入れたライブ、「四夜 弦もナイト」は弦楽器が入ったライブです。4日ともセットリストも替えますよ。

──まったく違うセットリストを4公演も用意するのは、とても大変なことだと思うのですが…。

大変だよねぇ(笑)。

──それでもやろうと思ったのはどうしてですか?

僕が大変だとお客さんが喜ぶんで(笑)。今までの傾向として、僕が大変だったコンサートは評判がいいんですよ。しかも、セットリストも僕じゃなくて、バンドのみんなで決めてるんです。だからさらに特別なライブになるんじゃないかな。例えば三夜だったらアレンジャーの倉田(信雄)が中心になってセットリストを考えています。これがもうね、通好みのセットリストで。ブラスでさだまさしってあんまり聴けないじゃないですか。だから「これくらいのことやんなきゃ!」って。渋い曲が揃っています。四夜は弦だから、「これがさだまさしでございます」という曲が並んでいるし、一夜はもちろんグレープの曲だけだからね。

──そして今回WOWOWプラスでは東京公演の「二夜 工務店ナイト」が独占放送されます。二夜はどのような内容になっていますか?

三夜と四夜でこぼれた曲をやるんですが、それがもうカロリーが高くて。「これでもか!」という内容になっていますね。1日目がフォーク、3日目がプラス、4日目がストリングスなので、2日目はロックでいこうかと。かなりアグレッシブなメニューになっています。ロックだし、MCも無しにしようかって言ったんだけど、それはダメって言われて(笑)。

──さださんのコンサートはトークも大事な要素ですからね。

僕のコンサートでは、トークが安心してくつろげる場所なのかなと思っていて。僕の歌は、いろいろ感じたり考え込んだり、キュンとしたり怒ったりと、心に働きかける曲が多いから、トークのときくらいは肩の力を抜いてゆっくりしてもらえたら。アイスクリームに添えられているウエハースみたいなもんだよね。アイスクリームを食べて舌が冷たくなると甘みを感じなくなるから、そしたらウエハースで舌を温めてもらって、またアイスをおいしく味わってもらうっていうことなんだけど……まぁ、うちはウエハースから売れるアイス屋(笑)。なんなら「ウエハースだけで買えませんか?」っていう人もいるくらい(笑)。だから来年はウエハースだけのライブもやろうと思っていますよ。

──それも楽しみですね。

昔出したトーク集が売れて話題になることがあるけど、(トークの)バージョンが古いんですよ。コンサートではトークも令和バージョンになってるから。僕のトークは旅先で出会った人や起こったことを面白おかしく話す、安心して「アッハッハ」って笑える笑い。あんまり人が傷つくような笑いは、僕はやらないですね。燃えカスの残らない笑いがいい。

さだまさし
さだまさし撮影=友野雄


ステージがなかったら、ここまで生きてくるのは大変だった


──さださんは長年精力的にライブ活動をされていますが、さださんにとってライブとはどのようなものですか?

どう言ったらいいんだろう、何かに例えようがないんだよね。なんでこんなにライブをやるんだろうね。歌が好きなわけでもないのに。でも歌作りは好きなんですよ。歌ができた瞬間が一番興奮するのね。その瞬間を共有したくてライブをやっているんだろうね。「俺、いい仕事したでしょ?」って言いたいの。だけど作ってから3カ月も経つと飽きちゃうから、「早く次の曲作んなくちゃ」と思って……その繰り返しでずっと続けてるんだろうね。あとは、コンサートでは毎回悩みながら歌ってるんですよ、「この歌ってもしかして、こういうふうに歌ったほうがいいんじゃないか?」って。そういう発見が常にあるから飽きないんだと思う。

──その発見をしたくてライブをしているところも?

かもしれないね。あと、僕は大声を出すというのが一番のストレス発散で。多少腹が立ったりストレスが溜まったりしているときでも、ステージでは全部吐き出して忘れられる。だから「これは思い出すたびに腹が立つな」と思うことはライブで吐き出して、反対に覚えていなきゃいけないことはトークにする。

──歌うかしゃべるかでストレスを発散させているんですね。

結果論だけど、それが自分を支えてきたんじゃないかなと思いますね。もしもステージがなかったら、ここまで生きてくるのは大変だったろうなとは思う。コンサートがあるから行かなきゃって思うし、お客さんに来てもらった以上は楽しんで帰ってもらわなきゃって思うしね。で、コンサートっていうのは毎回同じことは絶対にできないでしょ。昨日良いライブができたからって、同じようになぞろうとすると絶対にうまくいかない。掴んだと思っても、翌日にはどこかにいっちゃう。毎回違うからこそ、常にうまくいくように求める。それが楽しいのかもしれないね。

さだまさし
さだまさし撮影=友野雄


下に続きます

「さだまさし 50th Anniversary コンサートツアー 2023 ~なつかしい未来~ 二夜 工務店ナイト」

2023年7月30日(日)19:00- WOWOWプラスにて放送
収録日:2023年6月30日/収録場所:東京 東京国際フォーラム ホールA
https://www.wowowplus.jp/program/episode.php?prg_cd=CIIDM23020&episode_cd=0001
※「スカパー!番組配信」あり
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