自分の人生そのものを武器にした青木
「ちりとてちん」終了後には南米へ長期の一人旅に。「『連ドラやって何番手になったら、今度はCMやって…』という俳優として正攻法の道を単に進むより、地球の真裏にいる人たちが自分の出たドラマを観て何を感じ取ってくれたのか? それを現地で訊くほうが絶対に今後の自分のためになる」(「Esquire」2022年12月23日)と考えたのだ。
その後、きき酒師の資格をとるなど演技以外のさまざまなことにも挑戦。「俺は、みんなと違う経験もしている…芸能界しか知らないやつらとは、違う表現ができる!」(同)と自分の人生そのものを武器にした。「おもしろい人生」を生きること。それがそのまま「おもしろい役者」青木崇高を形作っているのだ。
文=てれびのスキマ
1978年生まれ。テレビっ子。ライター。雑誌やWEBでテレビに関する連載多数。著書に「1989年のテレビっ子」、「タモリ学」など。近著に「全部やれ。日本テレビえげつない勝ち方」
※『月刊ザテレビジョン』2023年9月号