東風谷「全てを明らかにせずに終えようとするのは一番“罪”だから」
ビルの屋上で手をつないだ3人が飛び降りるのをためらっていると、月野(柿原りんか)らが現れ、「あなたたちのことを一生なんて気にできないよ。この選択を取ってるってことは、あの件は本当は3人の仕業なんだって思ってる。だから今、ひどいことをした人たちだって怒ってるし、許せないとも思ってる。でも、一生あなたたちを憎み続けるほど私は人間ができてない。私もひどい人間だって自覚してる。何があっても一生忘れないでほしい」と本音をぶつけて“最悪”を選ばないように説得。
これ以外に責任の取り方が分からないという西野に、遅れて駆けつけてきた東風谷(當真あみ)は「全部を明らかにするの! あの時、鵜久森さんが何をしようとして、どの顔でその瞬間を迎えたのか、知りたい人がいる。その人たちに全てを明らかにせず終えようとするのは、一番“罪”だから」と呼びかける。阿久津(藤崎ゆみあ)も「私からもお願い。こんな終わり方はしないで」と言われ、3人は教室に戻った。
浜岡「金さえ払えば俺がひっくり返してやる」
教室で西野たちを待っていた九条は、まずは生徒たちだけで話し合いをさせた。西野は「私はそんなつもりなかった。本当に」と言って、全てを語った。浜岡から「お前、最近全然学校楽しくないんだろ?」と話し掛けられたことから始まり、「金さえ払えば俺がひっくり返してやる」と言われ、学校から自分の居場所がなくなる未来を想像し、その言葉に乗ったと明かす。
浜岡は化学準備室にカメラを仕掛け、九条を撮影するつもりだったが、偶然、鵜久森と東風谷の会話を撮ることができた。「お前らのクラスの空気を変えてるのは、この鵜久森ってヤツだろ。これ使ってひっくり返してやれよ」と映像が入ったSDカードを渡され、西野は「東風谷との話をバラされたくなければ放課後に新校舎の吹き抜け廊下に来ること」と書いた紙を鵜久森のロッカーに入れた。
鵜久森「2023年10月4日、今日はあなたが誰かを傷つける日じゃない」
鵜久森は一人で新校舎に向かうと、そこにいたのは西野。東風谷との会話を収めた動画をネタに脅しをかけるが、鵜久森は「ちゃんと話そうと思った。じゃないと、誰かを傷つけることに傷付かない人が変わることはないから。西野さん、おかしいよ。誰かを傷つけて笑ってることの何が楽しいの?」と真っすぐに考えをぶつけた。
「あなたみたいな人が少しだけ考えを変えるだけで、私たちみたいな人ももっと前を向ける。標的を作って笑ってる時間なんて、大切な人生の無駄な時間でしかない。私は最後の最後までなりたい自分になるために生きる」とキッパリと言い放ち、「2023年10月4日、今日はあなたが誰かを傷つける日じゃない。あなたが人を傷つけるのをやめる日に私が変える」と言ってSDカードを奪い取ろうとした。揉み合ったはずみで鵜久森は転落してしまう。
これが、鵜久森が亡くなった日の真実。西野は「これだけは分かってほしい。鵜久森がこんなことになるなんて思ってなかった。そんなつもりじゃなかった」と涙を流して訴えるが、九条は「ふざけるな」と一蹴。
「逃げるなよ! こんなことが起きたんです。人が、クラスメートが命を失ったんです。それを『そんなつもりじゃなかった』、そんな一言で逃げられるわけがない。鵜久森さんが命を燃やして変えようとしていたのに、そうやって逃げることを私は絶対に許さない」と九条は感情をあらわに伝えた。
九条「他人を傷付けることがくせになっている無自覚な動物そのもの」
「ほんのわずかな想像の欠如だけで、人の心に痛みを募らせることがある」と言って、自己保身や言い訳を最初に口にした西野に向かって、「この3人で鵜久森さんをおとしめようとした、その行いに対する反省の言葉はないですか? 自分を守るために他人を傷付けることがくせになっている無自覚な動物そのものです」という言葉を投げかけた。
この過ちを償う方法を考え、生きて償う。それが鵜久森があの日考えたことだと諭した。話を聞いていた鵜久森の母・美雪(吉田羊)は「私はこの出来事を許すことはできない。忘れることもできない。でも、命を失ってほしいなんて思わない。もしも唯一こうしてもらえたらと願えることを言ってもいいのなら、忘れないでほしい、あの子のことを」という言葉を受け、3人は謝り、その出来事について説明するために九条と一緒に警察に向かった。
鵜久森に起きた出来事の真相が明らかになったが、卒業式の日に九条を突き落とした犯人はまだ分かっていない。次回はいよいよ最終回。どんな結末を迎えるのだろうか。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
※藤崎ゆみあの崎は正しくは「立つさき」
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