九条蓮「未来の話をそんな顔をして聞くな。里奈は生きてるよ。生きてる。生きる」
卒業式当日、蓮が作ったのは、彼が結婚後に初めて作った“大きなおにぎり”だった。九条が“明日が来る実感がない”ことを知っている蓮は、明日以降の予定や約束などをどんどん話していく。しかし、九条はそれに対して何も返すことができなかった。それでも蓮は「未来の話をそんな顔をして聞くな。里奈は生きてるよ。生きてる。生きる。もしそんな感覚がないんだったら、俺がいつまでも未来の話をする」と言って元気づけようとした。
蓮は「死ぬかもしれないと思って頑張りより、死にたくなって思って頑張る方が、俺は応援できるし、共感する。“行かない”という選択肢はないのか?」と聞くが、九条は「最後かもしれないから行くわけじゃない。鵜久森さんは明日を信じて今を変えようとしていたんだって」と返し、「一周目の時、私たちは離婚していました」と明かした。
九条は蓮に「好きだよ。でも、どうしても変えなきゃいけない今があるの。だから行くの。運命を変えるために」と思いを伝えて、卒業式に向かった。
九条が一周目の人生で突き落とされた場所に、またその人物が現れた
卒業式が終わり、九条は一周目の時に突き落とされた場所にいた。何者かが九条の背中に手を伸ばしたその時、振り返り「やっぱりあなただったのですね」とその腕を掴んだ。
腕を掴まれたのは星崎(奥平大兼)だった。「やっぱり」という言葉の通り、九条は突き落としたのが星崎だと分かっていたようだ。西野(茅島みずき)が鵜久森を誤って突き落としてしまった時、西野は手を伸ばして鵜久森を掴もうとした。もし殺意があったとしたらなおさら、相手がどうなったのかを顔を出して確認するはず。しかし、九条が一周目で見たのは腕だけだった。九条は星崎に「あの出来事は、明確な殺意もなく起きたのではないかと。もしかしたら、無感情に近い形で。そう思った時、あなたの顔が浮かびました」と告げた。
鵜久森が涙を流して全てを明かした時を含め、他の生徒たちが気持ちを揺さぶられる中、星崎だけは客観的に周りを見ていたことに九条は気付いていた。そして、「あなたは私を殺した後、自らの命も断とうとしていませんか?」と星崎のこの後の行動を読み、「今日会わないとこの運命は変えられないと思ったから。私を殺すのをやめてください。そして自分を殺すのをやめてください」と伝えた。
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