規制の中でできる限りのことをして楽しませるのも大事
――前回に比べて今回もものすごく伏線が張られた内容になっていましたが。
僕が考える「インシデンツ」の魅力って伏線なんですよ。今回も第1話であったことが後半でつながったり…。「これってそういうこと?」みたいなのが、前回よりも多い気がします。あと今回はドラマ色が強くなっているので、それぞれのコントも楽しめますが、全体を見終わったときに「インシデンツ2」自体が大きな1本のコントだと感じられるはず。再度、また最初からみるとまた違った面白さがあると思います。
――伊藤さんがお気に入りのコントを1本教えてください!
第1話の、ログハウスを10時間で建てられるかという定点の映像の中で東ブクロさんが色々やってしまうコント「見られてる男」ですかね。台本で読んでいたのですが、映像はそれを越えてきて…。もう最高です。他の現場では絶対できないコントなので、お腹を抱えて笑っちゃいました。ブクロさんが本当に振り切っていてカッコいいんですよ。そして森田さんのツッコミも絶妙で。いいものを見させていただきました。
――今回も地上波のコントでは放送することができないコントばかりでしたが、やっていてもこれはこの番組ならではと感じることは多かったですか?
全てですね。これは良い悪いは別なんですが、ほかの映画やドラマをやらせていただくと、どうしても「このシーンどうします?」というような相談が現場で必ず生まれるんですよ。例えば反社の人たちが車の後部座席に乗るときにシートベルトをするかどうか…とか。それは仕方がないことなのですが、そういうことで作品のリアルさが損なわれているところもあるのかな?と思ったり。なので今回みたいに自由にのびのびできるというのは、楽しくもありました。
とはいえ、影響力など考えると世界観だけを大事にしていくのも違うので…。例えば年間100本映画が作られるとしたら、10~20本くらいは自由に作れたらうれしいなと作り手の立場で思ったりもします。
規制された中で自分たちができる限りのことをして楽しませるのも大事なことだと思うので、色々相談しながら、自分たちが面白いと思うものを模索していきたいと改めて感じました。
「ツイていない」時のモチベーションの上げ方
――今回は“アウトローな6人が贈る刺激的な脱法コント”とのことですが、アウトローと言われることに関していかがですか?
かなり光栄でした。やはり昔から映画など見て少し憧れがあったりするので。男くさい感じってカッコいいなと思います。
――とくに今回、カッコいいなと思った方はいますか?
皆さんカッコいいし、気さくで優しくて楽しかったですが、東ブクロさんかな。ブクロさんは、セリフの量がかなり多く、大事な役割を担っていたので大変そうでした。常に台本と向き合っていて、きっと自分のセリフを覚えるというより、その先や全体を理解しようとされていたんだと思います。その姿勢がカッコいい。あと寡黙に見えるのですが、話しかけたらすごく気さくに話してくださって、そのギャップにもやられてしまいました(笑)。
――ちなみに伊藤さんは「ツイていない男」というコントに出ていましたが、ツイていないと思ったりしますか?
基本、僕はツイていると思います。あとツイていないと感じるときは、“今じゃないんだよ”と思うようにしています。タイミングとして合わなかったということは、またどこかでタイミングが合うときがくるというか…。生きていれば上手くいかないことはいっぱいあるし、いつか報われると思うんですよね。ありきたりの言葉ですが、やっぱり失敗から学べることって多いと思っているので。いいことを含めどんなことが起きても、吸収できることは吸収して次に生かしていく、それが大事な気がします。
――今回、「インシデンツ2」で芸人さんとコントをしたこともまた次に生きてくるんですね。
だと信じています。現場でも常に皆さんから学ぼうとしていました。でも、ただ単に楽しい現場になっちゃったんですけど(笑)。そんな楽しい作品をぜひ見ていただきたいです。
取材・文=玉置晴子
撮影=大石隼土
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