飯豊まりえ、横溝菜帆と3人親戚のような空気で“恋バナ”も
――海斗にとって重要な人物と言えば、佳奈恵だと思います。そんな佳奈恵を演じる飯豊さんとのエピソードまたは印象をお聞かせください。
飯豊さんとは他の作品でも共演させていただいたことはあるのですが、これまではしっかりとお話させていただいたことがありませんでした。「きみセカ」で初めて、しっかりとお話させていただいて、ドシッとしているなと思いました。
そうかと思えば、飯豊さんはプリンセスのような一面もあるんです(笑)。ディズニーの「アラジン」の曲を流しながら、僕がメークを落としていたら、まりえさんが「見せてあげよう~」と歌いながらメークルームに入って来たんです。
僕もそれに合わせて歌い出して、わちゃわちゃすることがありました。まりえさんのおかげで僕も過酷な撮影の中、楽しく過ごすことができましたし、スタッフさんの間でもこのエピソードは印象的な出来事だったらしいです(笑)。
――「きみセカ」現場の楽しそうな雰囲気が伝わってきますね(笑)。
あとは、結月役の横溝菜帆さんが現場にいることが撮影では癒やしになっていました。僕と、飯豊さんと横溝さんと3人でいる時間は、兄妹という雰囲気でもなく、父親と母親と子どもという関係性でもなく、親戚のような距離感で過ごしていました。
飯豊さんと横溝さんが仲良しなのは知っていたのですが、そこに僕も違和感なく一緒に過ごせたことは、とてもありがたかったですし、出来上がっている関係性の中に自然に入れてもらえることはとても光栄でした。
――3人ではどんなことをして過ごしていたのでしょうか?
3人で恋バナもしましたし、僕と横溝さんはラジコンを操縦して遊んでいました。飯豊さんと横溝さんは僕が隣で見守る中、オセロしていました。Season5だけではないですが、ピリピリした撮影の合間に、ひと時の癒やしを感じながら、息抜きをさせていただいていましたね。
30代まだまだ進化中、「自分をみつめる」時間を大切に
――そんな「君と世界が終わる日に」の作品を通して、学んだことは?
もっと現場がきついと思っていたんです。僕は基本的にどんな現場でも、お話させていただく時間があるのであれば、お話させていただくというスタイルでこれまでやって来ましたけれど、「きみセカ」のような世界観のお話を生み出す現場では、そういう僕のスタイルはよくないかもしれないと、クランクインをする前までは考えていました。でもいざ現場に入ってみるとそれは大きな間違いで、過酷な現場だからこそ、たくさんコミュニケーションを取り、和気あいあいと皆さん過ごすことが重要であると学びました。
――この作品では、「生きる」がテーマになっているかと思います。前田さんにとって生きるとはなんでしょうか?
僕は家族のために生きています。僕の場合はですが、家族がいなければこの仕事は続けていくことができないと思っています。家族の喜ぶ顔が見たいですし、家族が楽しんでくれることが1番です。また、家族に限らず、友人や大切な人など、自分の身近な人たちが幸せにいてくれることが、僕の生きる意味につながっているかもしれません。
――最後に、この作品の登場人物のように、前田さんが現在戦っていることやサバイバルしていることを教えてください。
「自分を見つめること」ですかね。僕、今32歳なのですが、自分の性格が変わってきていることを実感しているんです。
「30超えてもなんでこんな20代の感覚のままなんだろう」と思っている時があったり、いろいろな作品に関わりながら、自分を見つめる時間をすごく大切にしていて、“自分にしっくりくるもの”がないかいろいろ試していたんです。今日はこれをテーマに生きてみようと設定し、1か月ぐらい試して、生きづらかったら、そのテーマを変えて…みたいなことです。30代になってからは特に、40代に向けてどうするべきかを常に考えながら、自分と向き合いながら生きています。
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