志尊淳インタビュー トランスジェンダーからホスト役まで「求められる役者になりたい」
現在、ドラマ「女子的生活」(毎週金夜10.00NHK総合)に主演し、「トドメの接吻」(毎週日夜10.30、日本テレビ系)に出演中の志尊淳。’17年はドラマ4本、舞台1本に出演し、映画も4本公開され、大忙しの一年となった。
「’17年は『植木等とのぼせもん』(NHK総合)などでベテランの方と共演させていただいて、俯瞰から見た考えで演じることができるようになったように感じます」
中でも大きな影響を与えたのは、白井晃演出の主演舞台だった。
「“殻を破れ”と言われたのですが、自分の限界値を超えていかないと見えない境地でした。稽古や本番で追い込んでもらうことで、不要なプライドや恥じらいを捨てないといけないということを感じられたことは大きかったと思います」
そうした経験を積み、’18年は2本のドラマからスタート。
「新年から2つの作品に携われていることがすごい光栄です。『女子的生活』では、トランスジェンダーのみきを演じましたが、自分と重ねて考えられるほど僕には経験値がない。だから、みきという象徴をつくり上げました。ご指導くださった西原さつきさんも、理想の女性像を演じることで周囲から女性として見られる瞬間があるということだったので。しかし、ただ完璧な女性に見えればいいかというとそれもまた違う。未知の世界だったので、正直、今でも分からない部分もあります」
みきはトランスジェンダーかつ恋愛対象は女性という複雑な役柄のため、心境を理解することは容易ではなかったはずだ。
「日常の中に性的マイノリティーに対する偏見を持った人たちが現れ、それでもみきは臆することなく前を向いて戦っていく。その裏には将来に対する不安もあって、だからこそ今を楽しんで生きていこうとしていて貪欲。みきを演じることは難しいという言葉で表せられるものでも、理解してほしいという言葉で言い表せられるものでもなかったですが、見て感じていただきたいなと思っています」