中村倫也、“兄”田中圭とのケンカシーンに「『おっしゃ!』という手応えがありました」<不協和音>
圭さんの反応を楽しみつつ、演じていました
冷静沈着な真佐人と、熱血漢の祐介。検事と刑事として譲れない信念があるだけでなく、兄弟だからこその遠慮のない衝突も。それが顕著に表れるのが2人のケンカのシーンだ。
「真佐人は割と堅い口調で、ラフなノリのキャラクターではないので、それをどう飼いならすかが自分の中のテーマだったんですけど、あのケンカのシーンでは真佐人の弟的な部分が出せればいいなと思っていました。というのも、21年ぶりに再会した兄貴と対峙(たいじ)するとなると、いくら真佐人でも人としての照れもあるだろうし、ポロっと本音が出てしまうこともあると思うんですよね。なので、その押し引きは個人的に考えながらやっていました。かつ、圭さんはどっしりと何でも受け止めてくださる方なので、圭さんの反応を楽しみつつ、やっていた感じでしたね」
2人の思いが激しくぶつかるこのシーンは、中村としても印象に残っているという。
「役者をやっていて『おっしゃ!』と思う瞬間は、想定していたカット数よりも少なくなるときなんです。それは多少シーンが長くても見ていられる芝居を提供できたということで、2人のケンカのシーンでは、そういう手応えがありました。あと面白いと思ったのは、祐介を呼び出したときに真佐人が車から降りようとしないんです。そのときに『仕返しされるかと思って』というセリフがあって、そこに真佐人というキャラクターの振り幅を感じました」
これまでも「ホリデイラブ」(2018年テレビ朝日系)や「初めて恋をした日に読む話」(2019年TBS系)でメガネをしたキャラクターを演じてきた中村。今回の真佐人もクールな感じのメガネがよく似合っている。
「メガネを掛ける役は、大体衣装合わせで最初に手に取ったものになることが多いですね。今回の真佐人のメガネは彼の人間的な部分と見た目のギャップがあったら面白いかなと思ったので、あれを選んだんですが、ああいう銀縁のスクエアなフレームのメガネを掛けている人って、最近はあまりいないですよね(笑)。それをセレクトする真佐人って面白いなと思うし、彼がメガネショップで『これをください』と大マジメな顔をして言っている姿を想像したら、思わず笑っちゃうじゃないですか。僕は元々そういう遊びをするのが好きなんですが、そういう部分も楽しんでもらえるとうれしいですね」
取材・文=馬場英美
3月15日(日)夜9:00-11:05
テレビ朝日系で放送
出演=田中圭、中村倫也、趣里、杉本哲太、生瀬勝久、相島一之、岡部たかし、川島潤哉、板倉チヒロ、古河耕史、笠松将、小野寺晃良、木下ほうか、多岐川裕美
原作=大門剛明「不協和音」(PHP文芸文庫)
脚本=高橋泉
監督=大谷健太郎
ゼネラルプロデューサー=三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー=飯田爽(テレビ朝日)、竹内千賀(東阪企画)