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ムロツヨシ初主演ドラマ「新解釈・日本史」の裏側をPに聞く(後編)

2014/06/11 01:19

第1話、織田信長の本能寺の変の“新解釈”から。劇中では演者が思わず素で笑っている箇所もあるが、そのまま放送するなど「面白ければいい」の精神にあふれている
第1話、織田信長の本能寺の変の“新解釈”から。劇中では演者が思わず素で笑っている箇所もあるが、そのまま放送するなど「面白ければいい」の精神にあふれている (C)ドラマ「新解釈・日本史」製作委員会2014

今期、実力派・個性派俳優が“連ドラ初主演”した連続ドラマ作品の面白さに迫るインタビュー企画。今回はムロツヨシ主演のドラマ「新解釈・日本史」の前田利洋プロデューサーにインタビュー。後編は、福田雄一作品の特殊性やドラマ「新解釈・日本史」が狙う、意外なドラマの“裏テーマ”についてお聞きした。

■たった6時間で1話を撮影?

――前編では、ムロさんを起用された理由などをお聞きしましたが、ではシソンヌさんや上地春奈さん、太田恭輔さんなど、ムロさんの脇を固める役者陣についてはどうやって決められたのでしょうか?

役者さんはある程度固定にして、チーム「新解釈・日本史」を作ろうという方向性がありました。本作の撮影が少し特殊だったのもあって、それならある程度福田さんやムロさんのやり方を知っている人でまとまってやる方がいいだろうということになったんです。

――撮影はどんな点が特殊だったのでしょう?

まず、スケジュールが特殊なんですよ。基本、1日一本撮るんです。しかも、1回の撮影がものすごく早いんですよ。1話なんか、9時にスタートして昼の3時には終わりましたから(笑)。

――ええっ。6時間で1話を撮るんですか。

福田チームはスピード感がすごいんですよ。まず段取りを確認したら、テストがなくてすぐに本番なんです。それが個人的にはすごくびっくりして。ただ、その分だけ役者さんは大変だと思いました。撮影中、ほとんど役者さん同士が雑談するところはなくて、常に掛け合いの練習をしたり、本を読み込んだりしていました。

――画面からはゆるい自由な雰囲気を感じていたのですが、現場としてはタイトな部分もあったんですね。

福田さんも段取りの段階で役者が面白いことをしたら「面白かったからいいんだよ!」と、どんどん本番に取り入れるんですよ。あと、主にシソンヌのじろうさんなんかが冗談をポロッとこぼして現場がドッと沸いたりとか、楽しい現場なことは間違いないです。でもただ自由でおおらかな現場だというわけでもなくて、他の部分ではアドリブに見えるようなところでも何回も読み合わせをして煮詰めたり…独特の緊張感もありました。

でも、先ほどの主演役者の話で言えば、ムロさんは積極的に現場でしゃべっていましたね。前からムロさんは気遣いの人で、サービス精神でなんでもしゃべるから「ムロはメーキング映像が一番面白い」と言われているらしいんですけど(笑)。本作でも撮影時間が短いとはいえ日によっては2本撮りという厳しいスケジュールの中で、周囲にとても気を遣われていて、チーム「新解釈・日本史」を引っ張ってくれていました。

■ドラマ「新解釈・日本史」は“福田雄一の歴史ロマン”

――他に作品内でこだわりを持っているところはありますか?

作品自体が史実を基にしたコメディーということもあって、衣装やセットに関してはなるべく本物を使う、というのはこだわりのひとつとしてあります。そこをケチると本当のコントになってしまうんです。

――家屋のセットも本物を使っているんですか?

初回の織田信長の回では、山梨の恵林寺で撮影しました。撮影してみて思ったんですけど。やっぱり本物のお寺でやると本物感が出るしいいなあと思いましたね。ただ、恵林寺は織田信長が焼き討ちした場所なんですよ。なので放送終了後に歴史ファンから「信長が燃やしたところですよね」ってツッコミを受けてしまったんですけど(笑)。

先ほども言いましたけど、やっぱり完全なフィクションと思われたくはなかったんですよね。信長の回で話されている「信長が光秀に、家康に腐った魚を出して怒った」というエピソードも文献には残っているものですし、全てのとっかかりは史実なんですよ、というところはこだわりたくて。

だからドラマ「新解釈・日本史」は、「その時歴史が動いた」みたい教育番組を作っている意識もあるんです。その表れとしてオープニング映像も大河ドラマ風になっていて、ホームページでは毎回放送終了前と終了後に「予習・復習」として金谷俊一郎先生の解説動画を上げているのもその一環で作っているんです。

――“やりすぎぐらいのコメディーな部分”と“こういうこともあったのかという教育の部分”が、ここまで共存している作品も珍しいと思います。

そうですね。福田さんも歴史好きな立場としても「完全なフィクションコメディーにはしない」とおっしゃっていて。ドラマ「新解釈・日本史」はある意味で、福田さんなりの“歴史ロマン”なんだと思います。

――最後に本作の終盤にかけての見どころを教えてください!

これがすごく難しいんですよ(笑)。このドラマはどこから見始めてもいい、どこからザッピングしてもらっても止まってくれるように面白く作っている気持ちでいることは間違いないのですが、じゃあ「最終回をぜひ見てください!」とかは全くなくて…。本当にどこからでもいいから一度見てみてくださいと。でも、「いろんなムロさんを見られる」ということに関しては間違いなく見どころだと思います。なんたって、ムロさんがあの宮本武蔵とかになったりしていますから(笑)。

あと、歴史に興味がないという人もぜひ見てほしいですね。それで、歴史に興味を持っていただけたら最高ですし、僕は番組公式ツイッターもやっているので、「ここはさすがに新解釈すぎる」とか「この人物やってほしい」みたいな意見はぜひいただきたいですね。

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

ドラマ「新解釈・日本史」
毎週火曜 夜1:11-1:41
TBSにて放送
毎週日曜 夜0:50-1:20
MBSにて放送
他の地域の放送日程は下記公式HPを参照。
東進ハイスクール・金谷氏の講義映像なども配信。
【HP】www.shin-reki.com/

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