床嶋佳子、「捜査一課長」で共演の“ネコ愛”を熱弁!
毎週木曜夜8時より放送中のドラマ「警視庁・捜査一課長」(テレビ朝日系)に、大岩(内藤剛志)の妻・小春役で出演している床嶋佳子。共演しているネコ・ビビとのエピソードや、最終話に向け作品への思いを語った。
――ネコのビビについてはいかがですか?
ビビちゃんはじっとしていないんですよ(笑)。内藤さんが抱こうとすると「ふぃーんふぃーん」と鳴いて。タイトなスケジュールで撮影を行っているので、ネコNGでネコ待ちというわけにはなかなかいかないんです。
でも、内藤さんはそういうことも慣れていて、ネコがじっとしていないという設定で、じゃあどう芝居を作っていくかということをやっているので、その辺はさすが分かっていらっしゃるなと思います。
ですが、あの子は本番に強くて!(笑) 本番になるとものすごくいい表情をするんです。第3話の時も、私たちはすごく一生懸命芝居をしたのに、オンエアではエンディングが彼女の顔のアップで終わっていて(笑)。内藤さんも「どうせ俺らがいくら芝居をしていたって、最後はビビのアップで終わるんだよ(笑)」などと言っていました。
先日、私がビビの手を持ってネコパンチをやるシーンがあったのですが、リハーサルではずっと私の方を向いていたんです。でも本番になったらクリンとカメラの方を向いたので、「本当に本番強いね~」と話しています。
この間もマネジャーさんがビビを連れてきたときに、ビビが控室を探検し始めたことがあって。で、私が「どうしてそんなにカメラフェイスがいいの? 嫉妬しちゃうよ」と話し掛けたんです。そうしたらこちらをじっと見詰めてきて! マネジャーさんと「いま、床ちゃんの顔を見たよね! こちらの言葉を絶対分かってるんだよ!」と盛り上がりました(笑)。
またあの丸い顔がいいんですよね。あの丸い顔が“平和”を感じさせるので、作品内で殺人や苦しいことが起きたりする中で、最後にほんわかした奥さんとネコの真ん丸な顔が出てくるのは、いいなぁと思います。
――この作品は2時間ドラマから今回連続ドラマになりましたが、演技など変更された点はありますか?
最初、第1作目の時は相当シリアスな顔をしていたと思います。一課長として働く旦那さんを「大丈夫かしら」と見守っているシーンや、早朝に電話がかかってきてすぐに出掛ける旦那さんの準備を手伝うとか、割とシリアスなシーンがあったんですよね。それがプロデューサーの指示もあり、どんどん明るく少し天然っぽいキャラクターになっていきました(笑)。
実は2時間ドラマ版の5本目ぐらいの時に、「こんなに明るいだけでいいのかしら」とすごく悩んでいたんですね。ですが、今回は放送が1時間枠なので、2時間ドラマの時ほど状況や背景の説明ができないんです。1時間で完結してお客さまに楽しんでいただくことがまず大事なので、迷いが吹っ切れました。
今は明るく、優しく、良妻賢母だけどはしゃぎ過ぎなく、悲しみを忘れないというキャラクターを演じることに集中しています。
先日は亡くなった娘の春菜がスイカを食べたいと言っていた場面の撮影だったのですが、そのことを明るく話している裏にこの夫婦がこんな悲しみを抱えているんだなと思うと、何だか泣けてきてしまいました。
現実でもさまざまな暗い事件に遭われた方々は、みんな普段は明るく前向きに生きているんだけれども、そういう人たちが明るく振る舞う裏にはどれだけ悲しみやつらさを抱えているのだろうと感じました。この役を演じることで、他人の人生の深みを勉強したように思います。
――床嶋さん個人についてお伺いしたいのですが、これから夏も本格化するという事で、床嶋さんがこの夏やってみたいことはありますか?
そうですね。私は今まで俳句というものに特に関心がなかったのですが、先日別の番組で俳句を作ったら、いいなあと思いました。その時に何となくコツを得たんですよ。ですので、ちょっと一人で東京近郊にドライブして、いくつか俳句を作ってみたいなと思っています。
今までは目的がなくただ旅行をしていましたが、何となくつまらなくて。俳句って視点や、何に着目するかが大事だと思います。それは女優業にも役立つし、現地でどんな感性が働くのか楽しみなので、ぜひやってみたいなと思っています。
――ありがとうございます。では最後に、最終回に向けて視聴者にメッセージをお願いいたします。
今回の私の役どころでいうと、家で育てている“スイカ”が縦軸になっています。春菜が余命3カ月と宣告された時に、「スイカが食べたい」と言っていて。大岩さんと私にとって、スイカが春菜の象徴になっているんですよね。もう娘はこの世にはいないけれども、娘のようなスイカの成長を夫婦で常に見守っていて、スイカとの何げないシーンが実は裏にそういうものがあるんだっていうのを少し意識して見ていただきたいですね。
また、大岩さんが実はそういった悲しみやつらさを背負っているからこそ、他人の痛みが分かる人なんだということをインプットしながら見ていただくと、また作品の味わいが違ってくるんじゃないかなと思います。
毎週木曜夜8:00-8:54
テレビ朝日系で放送