“江戸の色男”桐山漣「粋な着物の所作を見て!」
7月16日(木)スタートのドラマ「まんまこと~麻之助裁定帳~」(NHK総合)で、主人公・麻之助(福士誠治)の幼なじみ・八木清十郎を演じる桐山漣にインタビューを敢行。演じる清十郎の色男ぶりについてや劇中で披露する三味線について、さらにこの夏に挑戦してみたいこと、番組の見どころなどについて語ってもらった。
――あらためて今回演じる清十郎の役どころについて教えてください。
主人公・麻之助と吉五郎(趙たみ和)、お由有(市川由衣)の幼なじみで、町名主の跡取り息子です。自分で言うのもなんですが、“この時代の色男”の役です(笑)。
――そんな清十郎を演じられて、自分に近いなと思った部分はどの辺りですか?
心のどこかに母親を亡くしていたり、家族愛に恵まれていなかったことだったり、そういう普段人には見せないような寂しさを清十郎は持っていると思うんです。それは自分と通じるものがあるなと思います。
――微妙な心情だと思いますが、それを表現するために気を付けていることは何かありますか?
清十郎のせりふや話の流れで分かることもありますが、麻之助たちと一緒におちゃらけたり、ワイワイしたりする中にも、どこかで冷静な部分を見せています。寂しさを紛らわせるために大きなことを言ってみるとか…。ふとした時に見せる清十郎の仕草で伝えられたらいいなと思っています。
――清十郎を演じていて、役の性格に引っ張られることはありますか?
清十郎の役をプライベートで引っ張られていたらヤバイですよね(笑)。女性がいる場所にロケに行けないですよ(笑)。その部分以外でいえば、普段は趣味でギターやベースを弾くんですが、劇中では三味線をやらせていただいています。でも、三味線を弾いている間は、不思議とギターやベースを弾きたくなくなりますね。
弾き方が違うということもそうですし、ギターやベースを弾いた時に出てしまう癖は三味線を弾くときには抜かなきゃいけないですから。
せっかく癖を抜いたのにギターを弾いてしまったらまた戻ってしまうんじゃないかなという恐怖感があって、この作品が終わるまでは他の弦楽器には触れないよう心掛けています。封印中ですので、ギターやベースは目で見て楽しみます(笑)。
――俗曲師の檜山うめ吉さんと共演するシーンで三味線を弾かれると思うんですけど、何かアドバイスをもらいましたか?
特にこれまでいただいていなかったのですが、アドバイスは欲しいです(笑)。三味線の練習はクランクインする2カ月前くらいから始めて、それからほぼ週1ペースでしています。第1話ではうめ吉さんと二人で弾くシーンもあるので、「こいつしっかりやってきたな」と思われるように、頑張って練習してきました。
――これががっつりやるのは初めての時代劇だったと思いますが、その時代ならではの扮装はどうですか?
羽二重だったり、頭を結構きつく締めつけていたり、最初は襟の部分が落ちてこないようにと緊張していましたが、とても粋でいいですよね。普段スーツを着ない方が慣れないスーツを着た時に首元が苦しいなと思うのと同じように、普段は着物を着ない人が着れば最初は首元が苦しいとか、窮屈だと思いますよね。
着物が普通であるべき世界にいる人を演じるので、そこは次第に慣れていかなきゃなと思っています。衣装さんには巻き物が苦しいから緩めるので、ずれて落ちないようにマジックテープを張られましたけど(笑)。衣装を脱ぐ時に「ベリッ!」て音がしたので、何だろうと思ったら、「襟落ち対策です!」って笑顔で言われました。
――着物を着た時の所作で工夫していることはありますか?
現場に行った時に、着物のお師匠さんに「何か粋な所作を教えてください!」と聞いて取り入れるようにしています。ただ、ゼロからそれを習得するので、何度も練習しないと形にはならないんですけど、主演の福士くんには「漣、それすぐやっちゃいなよ!」って煽られるんです。でも、その煽りには決して乗りません(笑)。自分ができるタイミングの時に、出せるようにしてやっています。
――何か教えてもらった所作で、見てほしいところはありますか?
どういう所作かと説明するのは言葉では難しいですが、とにかく常に着回しの所作を格好良くやることを心掛けています。ですから、清十郎の人となりを意識して、清十郎らしい着回し、所作を見てほしいです。
【“江戸の色男”桐山漣「独特のスリルがたまらない」の記事へ続く。同記事は7月16日(木)昼0時掲載予定】
7月16日(木)スタート
毎週木曜夜8:00-8:43
NHK総合で放送