「夕陽伝」DVD発売記念SPインタビュー・宮崎秋人
'15年10月から11月にかけて公演された俳優集団D-BOYS・瀬戸康史主演のDステ17th「夕陽伝」がDVD化され、2月2日(火)より発売を開始。
本作は、古事記に記された「イザナギとイザナミ」の冥府来訪譚をベースに、大和国大王の息子である海里と都月が、思いを寄せる幼なじみ・陽向の政略結婚により引き起こされた国の存続を脅かす惨事に、それぞれが立ち向かっていく姿を描く。
今回、本作に出演が決まってから俳優集団D-BOYSへの加入も決まったという、兄・海里に劣等感を抱き、陽向にいちずな恋心を持つ弟・都月を演じた宮崎秋人にインタビューを敢行。「夕陽伝」の見どころや都月の人物像などに迫った。
――「夕陽伝」公演後の感想は?
10月にD-BOYSになってから初めての舞台がDステで、D-BOYSに入ったなって実感が一番湧いたのがこの公演を乗り切った時でした。今まで一方的にD-BOYSの先輩たちを舞台や作品で見てきて、その中に入って同じ板の上に立った時に、年上も年下も関係なくみんなすごいなって思いました。意識の高さも技術力もすごいし、尊敬できる先輩がたくさんいて、自分は幸せだなと単純に思いました。
――都月を演じるに際してどんな人物像を描いてましたか?
愛にあふれた人間だなというのを一番意識してやりました。陽向に対してもそうですけど、やっぱり海里が好きだったり、この国が好きだったりというのを直接的なせりふがない中で、それをお客さんにどう感じさせるかというのは悩んだところです。
――ご自身とPatch版の松井(勇歩)さんの演じる都月との違いは?
自分の都月よりも(松井の方が)大人だなって思いました。自分以上に(感情を)抑えていて、僕がここで思いを爆発させようと思っていたところも、勇歩の都月は抑えていて、せりふの語調なども強くならずにいってたから、全然違うなって。それは海里に対しての思いが僕以上に前面に出ているから、そこで抑えられるのかなって思いました。
――兄・海里役の瀬戸さんの印象は?
稽古外でも一緒に過ごさせていただいた時間も多かったし、ご飯にも連れて行ってもらって、都月と海里の関係みたいなそんな雰囲気はありました。言葉でのやりとりはそんなになかったんですけど、悩んでいる自分を瀬戸くんも(海里と同じように)見守ってくれていました。何やっても大きく受け入れてもらえたりしたのは“瀬戸康史”という人間の器のでかさなんだなって感じました。
――Patch版で村川(勁剛・けいごう)さんが演じる海里の印象は?
勁剛の海里はより奔放で、瀬戸くんの海里より若かったなって印象です。今まで海里は瀬戸くんのイメージしかなかったけど、勁剛のを見て、これもありだなって発見させられましたね。勇歩がやる都月が大人びていてすごいしっかりしているから、あそこまで天真らんまんに子供っぽく振る舞えるのかなって、その対比がいいバランスだと思いました。
――都月は感情の起伏の激しいキャラですが、演じていて大変だったところはありますか?
結構しんどかったですね(笑)。これまで体力使う作品はいっぱいやってきたので、運動量だけだったら体にガタがきたりとかはないんですけど、ここまで精神をすり減らす作品は初めてやったので、物語が進んでいくにつれて都月という人物が落ちていけば落ちていくほど、運動量も上がるし語調も強くなっていくのでその反比例がなかなかきつかったです。瀬戸くんとか(小芝)風花ちゃんとかが自分の感情を引っ張り出してくれるんですよね。どれだけ疲弊していても「もうやめて!」っていうくらい感情を出させられました(笑)。
――稽古中はどんな雰囲気でしたか?
みんな、和気あいあいと仲良くやってました。瀬戸くんももちろん僕も、風花ちゃんも、みんなそれぞれその役をどうやって光らせるかって悩んでいたので、その苦悩している瞬間も見てましたけど、稽古終わってご飯を食べてるときや休憩中はワイワイしていたのでオンとオフがしっかりとしたカンパニーだと思いました。すごいやりやすくて、楽しかったです。
(劇団)Patchからきてくれている2人も含めてみんな熱くて、他の人が稽古してるところも絶対見逃さないように食い入るように見てました。本番入っても他の人の芝居見るようにしていて、それでたまに出とちりそうになったり(笑)。自分の出番ギリギリまで見てる貪欲な人が多かったです。
――宮崎さん自身が目を奪われたシーンはどこですか?
陸奥と富士丸に拾われて山小屋にいた海里が「この国を救う!」って決心するシーンは大好きでした。毎公演ガッツリ袖から見てましたね。あそこから一気に(物語が)加速していくので、毎度毎度鳥肌が立っていました。
――劇団Patchとの共演はどうでしたか?
ぜひ他の子たちともやりたいなって、(今回とは)逆に自分も中に入ってやってみたいなって強く思いました。劇団Patchでは小道具作りから仕込み、バラしまでやっていて、そういうのを自分もやってきた経験があるので、初心に帰るというわけじゃないですけど、やっぱり1回そこに立ち戻るのも大事だなって思います。
――“2つのユウヒデン”の見どころは?
Dステの方は、音楽のテンポもそうなんですけど、結構ガツガツしたBGMが流れていたりして、(Patch版)よりエンタメだなと思いました。男の子も見たら、きっと少年漫画のようなテンションを感じられると思います。
衣装とかも、こっちの真多羅(まだら)とか毘流古(ひるこ)はだいぶパンクなロックな感じだったし、キャラも飛んでいる人が多いのが「夕陽伝」のカラーだなと思います。
Patch版はすごい世界観が一貫していて、とある時代のとある話を作品にしたような一切のブレがなくて、(劇中で使われている)曲もそれにすごい同調していて世界観を広げているなと。(Dステ版は)表面に出てる熱さ、(Patch版は)内面に秘めている熱さって感じで、表現の仕方がこうも違うのかと思いましたね。本当に対照的な作品だったなと思います。
――今後どのように活躍していきたいですか?
漠然と、“俳優集団D-BOYS”ってものを変えていきたいなと思っています。今がどうとかではないんですけど、せっかく自分が入れたというのもあるので、そこを左右できる人間にまずなりたいなと。
あと、例えば僕のことを知ってくれている人がいるけど、それが“俳優集団D-BOYS”として認識されているのかと言われたらまだまだなんじゃないかなって思って。 “宮崎秋人”って名前をもっともっとたくさんの人に知ってほしいですけど、それと一緒に“俳優集団D-BOYS”という肩書きも知っていただけるようになったらいいなと思います。
2月2日(火)発売
出演=瀬戸康史、宮崎秋人、小芝風花、鈴木裕樹、荒井敦史、池岡亮介、前山剛久、高橋龍輝、中山義紘、三好大貴、遠藤雄弥、山本亨
脚本=末満健一
演出=岡村俊一
価格=5000円(税抜き)
発売・販売元=ポニーキャニオン
DVD「Patch版『幽悲伝』」
4月2日(土)発売
出演=村川勁剛、松井勇歩、竹下健人、三好大貴、中山義紘、井上拓哉、吉本考志、杞山星璃、田淵法明、中山浩三、三津谷亮ほか
脚本・演出=末満健一
価格=5000円(税抜き)
発売・販売元=ポニーキャニオン