フジテレビ系で放送中のドラマ「火の粉」(毎週土曜夜11:40-0:35)で、梶間雪見役を演じる優香。
ユースケ・サンタマリア扮(ふん)する武内が隣に引っ越してきたことをきっかけに周囲で不可解な事件が起こるようになる梶間家において、早くから武内のことを怪しく思うという役どころだ。
今回はそんな優香にインタビューを行い、雪見を演じることや撮影中の共演者とのエピソードなどを聞いた。
――オファーを受けたときのお気持ちを教えていただけますか?
お話をいただいてから原作を読みまして、本当に面白くてあっという間に読み終わりました。読み終わったときに隣の家を見てしまうというか、「うちは大丈夫かな」と思ってしまうようなリアルさがありました。
武内自身良かれと思ってやっていることがどんどんおかしくなってしまう、「いいことをして喜ばれたい」という気持ちがおかしくなってしまうことってきっと誰にもあり得ることだから、余計に怖いと思いました。
雪見をやれるというのは、この年齢になったから子供のいる役や主婦役でリアリティーが出る年になったのかなと思い、うれしかったですね。
――娘・まどか役の庄野凛ちゃんとの共演はいかがですか?
かわいいですね。休憩中はずっと塗り絵をしているんですけど、すごく色彩感覚が豊かで繊細な子なんだなって思います。2歳でこの仕事をやりたいとお母さんに言ったらしいです。お母さんがやらせたいわけじゃなく、自分でやりたいと言ってやっているから、お母さんに「ちゃんとできないんだったら、もうやらせないよ」って言われているみたいで。
だから意識がすごいんです。自分がやりたいこととしてお仕事をやっている、だから自分が弱音を吐いたりしたら、これができなくなるという思いでやっていると聞いて、子役というより一人の人格として見ていますし、失敗なく完璧にこなしていく姿を見て「すごい!」って本当に尊敬しています。
でも、子供らしい部分ももちろんあります。初めからずっと敬語を使ってくれていて、「(敬語じゃなくて)いいよ」って言っているんですけど、やっぱりそこはなかなか崩せないみたいで。ちょっとずつ私を“第二のお母さん”と思ってもらえるように接しています。
――ストーリー上では雪見は梶間家を追い出されてしまうわけですが、その点を踏まえて雪見の心境の変化について教えていただけますか?
雪見からすると3話が波乱だらけの回で、「一生これは誰にも言わないでおこう」と思っていたことが武内によってみんなに知られてしまいます。それで旦那さんは信じてくれずに浮気を疑ってくる。
そして、自分は子供のころに虐待をされていたから子供には絶対そういうことをしないって思っているんですけど、1回だけ手を上げてしまったところを尋恵(朝加真由美)に見られてしまい、虐待をしているんじゃないかって疑いを掛けられてしまう。弁解しても信じてもらえずにどんどん追い込まれて、本当にもうどうしたらいいのか分からなくなっているうちに追い出されてしまう。
でも、それで今までは「娘を守りたい、武内に近づけさせちゃいけない」と思っていたのが、3話から4話で「自分をこういう目に遭わせた武内を退治しなきゃ」と、向き合って戦っていこうと変わってくるので、雪見も母として強くなっていくのかなと思います。
――武内との対決姿勢を強める中で、池本と関わるようになってくると思うのですが、池本を演じる佐藤隆太さんとの共演はいかがでしたか?
隆太さんは同い年なので話しやすいですし、池本のちょっとオドオドした変な感じを隆太さんがやるのも楽しいです。でも、池本も武内によって翻弄(ほんろう)されてしまうんです。武内にみんな翻弄され、洗脳され、ちょっとずつ消えていってしまう。ストーリーとしては毎回苦しいんですけど、みんな仲良いですし、まったく知らない人が少ない現場なので、すごく居心地良く、楽しく撮影しています。
――最後に、あらためて「火の粉」への意気込みをお願いします。
キャラの濃い人たちがたくさん出てくるんですけど、雪見は視聴者の方に一番近い存在です。急に武内が後ろにいて驚いたり、武内に疑惑の目を向けていることが多くて、そういうシーンが多ければ多いほど演技が似てしまうから難しいなと思いながらも、きっと私がハッとしたりするのを視聴者の方は(私と)同じように感じてくれると思うので、丁寧に演じたいなと思います。
毎週土曜夜11:40-0:35
フジテレビ系で放送