運転担当・鈴木裕樹「捜査一課長の心休まる場所に」
鈴木裕樹がドラマ「警視庁・捜査一課長」(毎週木曜夜8:00-8:54テレビ朝日系)に、大岩純一(内藤剛志)の運転担当刑事・天笠一馬役で出演中。インタビューで作品や天笠の魅力、自身の演技観などについて聞いた。
――連続ドラマ化から2カ月がたちましたね。
この「警視庁・捜査一課長」というドラマが2時間ドラマとして5年、5作やった上で連続ドラマになったというのは、作品が視聴者の皆さまに愛された証しだと思うので、やっぱりうれしかったですね。
この5年間で培ってきた物もあり、キャストやスタッフの皆さんもずっと一緒にやってきた方たちなので、そこは気兼ねなくやらせていただいています。
――皆さんとのチームワークは完璧ですね。
役柄上、あんまり皆さんとご一緒してないんですけどね(笑)。でも、そうだと思います!
――2時間ドラマから連続ドラマに移行するということで、心構えなどに違いはありましたか?
連続ドラマに入る前に別の現場で内藤さんとお会いすることがあって、そこで「これから、またよろしくな」っていう話の他に「また1からやろうな」っていう話をしました。
2時間ドラマを5作やって、少しずつですが(登場人物の)関係性が変化しているんです。僕が捜査に首を突っ込んだりするところは、内藤さんや金田明夫さんが、お芝居として計算して「天笠という役を、運転手からちょっとずつ認めていっている」という作り方をしてくださった部分がたくさんあったと思うんですよ。
でも今回、連続ドラマになるということで、最初に戻るというわけではないのですが、ここから新しく見てくださる方もいるんじゃないかということも考えて、その辺(の関係性)をはっきりさせたっていう感じはありますね。
――当初のキャラクター設定にリセットした感じですか?
まるっと戻ったわけではないんですが、第1話で僕が金田さんに「おまえは運転担当なんだから、持ち場へ帰れ!」って言われたり、そういう部分はちゃんと見せようと。だから、僕の意識としては「よりフレッシュに」っていうつもりで臨んでいますね。5年前より年も取っているので(笑)。
まだこの現場では若手ですが、第1話の撮影の時にもっといろいろトライしようって思いました。幅をもっと持たせた方がいいかなって考えていろいろやってみたんですけど、監督から「やっぱり、天笠は実直な青年であることが一番いいんじゃないか?」って言われて、自分の中でも納得してちゃんと方向性が定まりましたね。
――連ドラになって、周りの反響いかがでしょうか?
一番近いところだと、家族が「見てるよ」「面白いよ」って言ってくれています。
――天笠について、「あの役、いいね!」とか言われますか?
それは、あると思います。やっぱり5年やっていたので、天笠という役がファンの方たちにだいぶ浸透している部分もあるみたいで、自分の中で大きなものになっていたんだなって、あらためて気付きましたね。やっている身としては、結構珍しいパターンの見え方をしている役なんだなって。
例えば、暴れ回るとか発散するような役だと「あの役、すごかったね」という反響があってしかりだと思うんですけど、天笠は一見地味なのにみんなから「あれ、いいよね」って言われますから。僕を応援してくれている方に限ってかもしれないですけど、「あの役は、本当にすてき」って言われて「へぇ~、そうなんだ」みたいな(笑)。自分の意思とは関係ないところで評判がいい天笠君です(笑)。
――鈴木さんは天笠の魅力はどんなところだと思いますか?
たぶん、かわいいんじゃないですかね。ポジション的にも尊敬する先輩たちの中で、怒られながらかわいがられて、という役ですし。
「シーズン1に立ち返って」という話をしましたが、関係性を変化させていくっていうのは連続ドラマの醍醐味(だいごみ)だと思うんですけど、「捜査一課長」は細かい部分は変わっても、(関係性などの)大事な部分は変えないところがいいんだろうなって。現実では捜査一課長って激務なので1年半くらいしかできないって聞いていて、そうすると僕のやっている運転担当も変わるはずですが、一課長と天笠の関係性という、大事なところは変わらないというか。
あとは、何かと素直なんでしょうね。連続ドラマになって車中のシーンが撮れるようになり、その車中で内藤さんと2人っきりで、場合によっては僕がたまたまヒントになるようなことを言ったりしていますが、一課長の心休まる場所であればいいなと思っているので、そういうお芝居ができていることはとてもうれしいですね。
一課長もきっと天笠のことをいろいろ見てくれて、かわいがってくれているんだろうし、何の疑いもなく入って(一課長に接して)いけるっていうのは天笠の魅力なんじゃないかなと思いますね。
天笠は、発言が全部本心で言っているイメージです。僕が一番気に入っているのは、自分で奥さんの料理をめちゃくちゃ褒めるっていう場面があって。第1話で一課長の奥さま・小春さん(床嶋佳子)に「煮物作り過ぎちゃったから、持っていって」って言われて、僕が「うちのカミさんは、煮物以外の料理は最高なんですよ!」って。
それって、リップサービスでもなかなか言えないと思うんです。特に自分だったら謙遜してしまうような場面で、自分の上司に向かって「うちのカミさん、最高です!」って言えちゃうっていうところに、天笠たるものが集約されているんじゃないでしょうか? 本当に心から言っているんでしょうしね。
【鈴木裕樹、最近は「おいっ子と遊ぶのが一番楽しい!」】は6月9日(木)朝6時アップ予定
毎週木曜夜8:00-8:54
テレビ朝日系で放送