【スタート直前SPインタビュー】山崎大輝が宇宙人!? 「宇宙戦隊キュウレンジャー」で、新しいヒーロー像に挑戦中!

2017/02/10 18:21 配信

芸能一般

銀髪のヒーロー、ナーガ・レイを演じる山崎大輝

2月12日(日)に放送開始となる、スーパー戦隊シリーズ第41作「宇宙戦隊キュウレンジャー」(テレビ朝日系)。スーパー戦隊のセオリーである“5人組のヒーロー”とは異なり、史上初となる“9人組のヒーロー”として発表された今作は、その斬新な設定から、放送開始前にも関わらず注目を集め続けている。主人公の一人である、ヘビツカイシルバー/ナーガ・レイ役を演じる山崎大輝に、シリーズの新たな舵を取ることへのプレッシャーや心境の変化、そして今作の見どころを聞いた。

──今作はシリーズ初となる“9人組のヒーロー”ということもあり、歴代の戦隊シリーズとは違う新たな展開に注目が集まっているかと思いますが、ヘビツカイシルバー/ナーガ・レイ役を射止めた時の心境はいかがでしたか?

 この役をいただいたきっかけはオーディションになりますが、選考を受けている時には“9人組のヒーロー”ということは全く明かされてなくて、むしろ台本には男性役が3人しかいなかったんです。この3人であれば自分はこのキャラクターかな?と思いながら選考は進んでいったのですが、途中からキャラクターが枝分かれして……つまり、最初の台本では1人の役に対して2人分のキャラクターが詰め込まれていたんです。それが分かれて別々の役となったことで演じ分けはオーディションの時から大変でした。それと同時に「この作品はすごいぞ」と思いましたね。

 それから僕は「ヘビツカイシルバー」の役に決まったのですが、“9人”ということを知らなかったので、最初はシルバーということもあり正直「満を持して登場する、(物語中盤からの)追加戦士か……」って思い込んでしまったんです。でもしっかりお話を聞いたら、実は9人のヒーローで僕の役も最初から登場していて。自分が抱いていた戦隊シリーズのイメージが覆されたことで頭が真っ白になりましたね(笑)。僕の中では戦隊ヒーローって女の子2人、男の子3人の合計5人での人間だと思っていて、それがいきなり9人に増えたと思ったら全員宇宙人! 自分も宇宙人だし、仲間には機械生命体や獣人もいる。これまでのイメージ像と変わりすぎて、始まる前からナーガを演じることがすごい楽しみでした!

──今作の撮影が始まってすぐに柴崎貴行(※「崎」は正式には「たつさき」)監督やスタッフさん、キャストの皆さんで合宿を行われたそうですね。合宿はどのような雰囲気だったのでしょうか。

 そうなんです! 1週間ぐらいの合宿でしたが、スタッフの皆さんと同じご飯を食べて、一緒にお風呂へ入って、いろんな話をたくさんして。合宿初日ではお互いを全然知らない状態だったのに、同じ時間を過ごしていくうちに仲が深まりました。でもそうやって監督やスタッフさんたちと仲が深まったからこそ言えることがあって、それは現場でも反映されているなって思います。

 例えば、僕たちキャストは役者としての経験がまだまだ少ないので、間違えることもたくさんあります。そういうときにスタッフさんから注意を受けるんですけど、雰囲気が悪くなるってことは絶対にないです。僕たちキャストも注意してくださることを素直に受け止められて、ありがたいって思える。そういう風に思える環境っていうのは、仲が深まってお互いの関係性が出来上がっているからなんだと僕は思ったので、合宿で得た経験は大切なものになりましたね。

──ナーガ・レイは出身惑星の先祖が、争いを避けるため一切の感情を捨てたという背景を持つキャラクターです。場の雰囲気とは異なる表情を演じることや他のキャラクターとの絡みについて、苦労した点はありますか?

 僕が演じるナーガ・レイは、故郷のヘビツカイ座にいたころは感情を表に出すことがなかったキャラクターです。だから感情のベースが少ない。そうなると表情として感情を顔に出すことができないので、大変なのかなって思っていました。でもそんなことはなくて、テンビンゴールド/バランス役を演じてくださるアクターさんが、視界がほとんど見えない状況にも関わらずバランスの動きを完璧にしてくださって、さらにナーガがカメラによく映るように先回りした動きをしてくれるんです。あえて僕が困ったことと言えば、バランスの横幅が広すぎて少し当たるくらい(笑)。そういえば、僕たちナーガとバランスのコンビは第2話で登場するキャラクターですが、登場するときの名乗りで軽いコンビネーションの動きが入ります。その時にハイタッチみたいな動きがあるんですけど、バランスのアクターさんは視界が狭いからお互いのタイミングが難しくて。そういう風にお互いの動きを合わせるシーンの苦労の方が、実は多かったですね。

 それから前作「動物戦隊ジュウオウジャー」でジュウオウライオン/レオ役を演じていた南羽翔平くんとは5年前に舞台で共演していた御縁があって、それで僕が「キュウレンジャー」に出演が決まってから抱いていた不安や疑問点について、南羽くんにいろいろ教えてもらいました。役作りでいえば、最初の3話を撮り始めた時くらいに劇場版の撮影も入っていたので、ナーガの演じ分けをどうしたら良いか悩んでいたんです。まだ感情とは何か、仲間とは何かを知らないナーガと、劇場版で少し時が経ってキュウレンジャーのみんなと絆がちょっと出来上がっているナーガ。その日その日で変わるキャラクターの演じ分けをどうすればいいのか、それで南羽くんに悩みを相談して。そしたら「自分を信じる。自分が一本筋を決めて、そこにずっと乗っていればぶれることはないんじゃないか。とにかくぶれない方が良い」と、教えてもらいましたね。「戦隊シリーズは各話によって監督やスタッフさんもいろいろ変わる。だからこそ、自分のキャラクターは自分が一番ぶれないようにしておいた方が良いよ」とも。役作りをするうえで、南羽くんにいただいたアドバイスは忘れないようにしています。

──スーパー戦隊シリーズは「―キュウレンジャー」で41作目となりますが、山崎さんが子どもの頃はどんなヒーローに憧れていましたか?

 僕は戦隊ヒーローの中では「忍風戦隊ハリケンジャー」が大好きでした! 小さい頃は「ハリケンジャー」の人形で遊ぶことにハマっていましたし、それから戦隊ヒーローだけじゃなくて「仮面ライダー剣(ブレイド)」も毎週見ていて、クリスマスプレゼントにおもちゃを買ってもらったこともありました。そういえば買ってもらったおもちゃは、お母さんたちにぶつけていたような気が……今思えばヒーローというより悪者ですね(笑)。キャラクターが描かれているTシャツも当時は着ていて、その写真が賞に選ばれるとおもちゃがもらえる懸賞にも応募したことがあります。3歳か4歳ぐらいのときだったと思うんですけど、偶然にもその賞をいただくことができて、おもちゃをもらえたことが嬉しくて、「やったー!」ってそれを使ってたくさん遊んでいた気がします。

──今度は逆に山崎さんの方が、子どもたちが憧れるヒーローという立場になります。そういった点で心境の変化というものは生まれましたか?

 そうですね、番組を見てくださるのは小さい子から大人までいろんな方がいらっしゃると思うんですけど、子どもたちもナーガの姿を見るんだ、ということは意識しています。小さい子が見てくれるからこそ、“ヒーローという存在”に僕自身がふさわしい人間にならないといけないというプレッシャーを実は感じているんです。特にナーガは見た目もこれまで出てきたヒーローたちと比べて個性的なので。髪の毛は銀髪、目にはコンタクトを入れて、肌が真っ白。おまけに爪も塗って、眉毛まで銀色で、とにかく銀の要素が全身いたるところに散りばめられていて、この姿を受け入れてもらうには自分のしっかりした部分を様々な場面で示さないといけないと思っています。それで、これもまた新しいヒーローの形なんだよっていうのを、見てくださる方には感じてもらいたいですね。今回は41作目ですけど、42作目、43作目と、こういうキャラクターがいても、時と場合によってはいい。僕がその最初のキャラクターとして先陣を切ることで、定着したキャラクターになれたらいいなと、ナーガと出会ってすごく感じましたね。

 その一方で、僕は街を歩いていても小さい子達からは、ナーガだって気付いてもらえないんじゃないかなって。だから僕がナーガだって気付いてもらえたら、その子のことすごいと思いますし、たくさんお礼を言おうと思っています(笑)。「気付いてくれて、ありがとう!」って(笑)。あとロケでの撮影中にお子さんたちに出会ったら、実はやりたいことがあるんです! ナーガには、彼がよく言う言葉として「感情とは難しい」という言葉があるんですけど、それを子どもたちの前で見せたいんです。例えばサソリオレンジ/スティンガーと一緒にいたら、急に怒り出しちゃうとか(笑)。それで、「間違えた。感情とは難しい」って子どもたちの前で言って、「時間が来た。宇宙に戻らなければいけない」みたいな! そういう風にひと笑い取りたいというか、子どもたちを笑わせてあげたいですね(笑)。

──最後の締めに、本作の見どころと今後の目標を教えてください。

「キュウレンジャー」は、今までの戦隊ヒーローと比べて人数もなんですけど違う部分がたくさんあります。でも、これまでの作品の良い部分もしっかり受け継いでいて、全体を通してこれまでにないチャレンジをしているんだろうなと。その今までの戦隊とは同じようで違う、チャレンジしている部分がきっとたくさん出てくると思うので、そういうところにぜひ注目してほしいですね。もちろんそのチャレンジに、キャストである僕たちが負けちゃいけないなとも思っています。バックアップしてくださる、たくさんの方々のため、見てくださるみんなのため、そして自分のためにも、作品を成功させるべく最後まで走り抜けていきたいです。

 それから僕はこの役が決まった時に、役者としての心持ちがずいぶん変わりました。先のことはともかく、いまナーガ役をしっかりと演じるために頑張ろうって決意をその時に固めたんです。なので、僕ではなくナーガというキャラクター自身をしっかりと見てほしいですね。彼は本当に成長するタイプのキャラクターだと僕は思っているので、「キュウレンジャー」の仲間たちからたくさんのものをきっと吸収していくと思います。どんどん様々な感情を得て、仲間たちへの接し方も少しずつ変わっていく。ナーガが成長していく姿を一番見てほしいですね。そのナーガの成長を演じきることができたら、今度はネガティブ要素が強い役をやってみたい。そういう役を演じたことがないのも理由ですが、一つの役やイメージにしばられない俳優になりたいので、あらゆる性格の役を演じて吸収して、振り幅の広さを強みにしていきたいです!

──最後にもう一つ! バレンタインの思い出をちょこっと教えていただけますか?

“チョコ”だけに!(笑)。でも僕のバレンタインは、だいたいお母さんから貰っていることが多いですね。中学生の時は、確か好きな女の子からなんとか貰えたと思うんですけど、本命とかそういうのではなくて、義理だって明らかに分かるような。単純にチョコを貰えてラッキー!みたいな感じで終わってしまいました。それに僕、昔はスーパーシャイボーイだったんです(笑)。だからホワイトデーの時は、どうやって渡せばいいのか話し掛け方も全然わからなくて、ただもう勢いに任せて走って。その女の子のところまで行ったら、「これ受け取って、じゃあね!」とだけ伝えて、また走って帰りました(笑)。今年はスタッフさん達からもらえるのかな……いや、期待すると貰えなかった時のショックが大きいので期待しないでおきます!