F1と同じFIA(国際自動車連盟)管轄による、電気自動車のフォーミュラカーレース「FIAフォーミュラE選手権」の3rdシーズン・第3戦アルゼンチン大会を、2月18日(土)にCSテレ朝チャンネル2が独占生中継する。「フリー走行」から「予選」「決勝」まで、余すところなく伝える。
'14年9月に開幕以来、電気エネルギーのペース配分が勝敗を分ける高い戦略性と、全コース市街地レースならではの激しいクラッシュなど、スリリングなレースが展開されてきた「FIAフォーミュラE選手権」。
今シーズンは、そんな歴史的スタートとなったファーストシ-ズンから続く、電気自動車レースの最高峰シリーズ「第3幕」となる。
前回大会は、マヒンドラレーシングのルーキー、フェリックス・ローゼンクヴィストが見事なラップを見せ、モロッコ大会のポールポジションを獲得。
一方、昨シーズンのフォーミュラEチャンピオン、セバスチャン・ブエミ(ルノーe.ダムス)は香港大会に続き、モロッコ大会も優勝し、タイトル防衛の年を順調にスタートした。
ポールポジションからスタートした、ローゼンクヴィストはスタートも成功し、すぐに余裕のあるリードを作る。しかしブエミよりも1周早くピット入りしたため、優勝には、よりエネルギー節約が必要となった。
ローゼンクヴィストは26周までリードを確保していたが、ピットから一周一周追い上げてきていたブエミに27周目で抜かれ、ブエミの連勝記録を止めることはできなかった…。
そして注目の第3戦を前に、元F1ドライバーで、今季も解説を務める中野信治氏に展望を聞いた。
――第2戦の結果を受けて。
今回やはり注目したいのはローゼンクヴィストですね。今年から参戦したこの若いドライバーが非常にアグレッシブながら、抑えるとこは抑えている、今までのドライバーとは違った、若いんだけど頭の良さ・スマートさを感じさせてくれるようなドライビングを見せてくれたのが僕としては印象深いですね。
彼はまだレースに出始めて2戦目ですから、今回、前半からああいうスピードで「逃げを打てる」ってことは、自信を持ってマシンをコントロール下に置いているってことですから、彼の能力の高さが見て取れましたね。
――これまでフォーミュラEというと「ブエミVSディ・グラッシ」という2強のイメージだったが、ローゼンクヴィストが今後入ってくるっていうことも十分に考えられますよね?
大いにあり得ると思いますね。今回の反省点をうまく改善して走りだすと、テクニックも高いし、頭も良さそうなので、ムダのない走り方も早い段階でマスターしてきそうですから、次のレースでは、ブエミや、ルーカス・ディ・グラッシ(ABTシェフラー アウディスポーツ)とほぼ同じぐらいのレベルで、戦略的にレース展開も読めるドライバーになってくる、確実に成長してくるんじゃないかなと期待もしてますね。
今、F1でもどんどん若返りが図られていて、世代交代が進んでいるんですけども、フォーミュラEは、その点でも、さらにスピードUPしてくるんじゃないかなと。そういった意味でも大きな影響を与える可能性のあるドライバーですよね。
――開催が2月ということなんですが、平均最高気温が28.7℃とかなり高いです。そのあたりレースへの影響はありますか?
暑くなる=パワートレイ・モーターに関しても厳しいですし、何よりもタイヤが非常にタフになると思うので、タイヤの内圧(空気圧)の管理が非常に神経をすり減らすと思いますね。
そういった意味では、丁寧な走らせ方をするブエミが有利なのかなって僕は思っちゃうんですが、アグレッシブに走るドライバーは結構厳しくなってくると思うんで、その辺のドライビングの差もでてきますから、その点でもマヒンドラレーシングのルーキー・ローゼンクヴィストのテクニックに注目ですね。
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