――聞くところによると、レコーディングは丸ごとダメ出しを受けたとか。
白岡今日花:バッサリです(笑)。自分たちなりの解釈で曲を表現したんですけど、「録り直し!」って。この曲はもっと優しい歌い方でないとダメでしょって言われました。私たちって今までは、お腹からしっかり声を出す、大きく発声して、というレコーディングだったんです。つんく♂さんの指示は「細い声で」だったので、とにかく歌うこと自体が難しかったです。
熊澤風花:ささやきで歌う経験はあまりないので。
里仲菜月:私の場合は二回目もダメで、息のように歌っていたつもりだけど、強すぎるからもっと抑えてと言われて。自分では歌っているのか歌っていないのか分からないくらいの声でようやくオーケーをいただけたんです。どうしても強く歌うクセが出て、サビは特に苦戦しました。
白岡:でもその分、引き出しが増えたなっていうのは間違いないです。
里仲:今まで曲に対するイメージが全然できていなかったんだなって、けっこうへこみましたけど(笑)。
――つんく♂さんの教えというと“リズム”と“16ビート”が有名ですが、そのあたりはどうでしたか?
里仲:リズムについてもたくさん教えていただきました。“伸ばすところは細かく刻みながら止めると全員きれいにそろうから”とか、息の切り方とか。教えていただいてから日常でもリズムを意識するように変わったし、逆にいうと、今までどれだけリズムを聴くことができていなかったのかを実感しました。
白岡:バラードの中でリズムを意識するのって本当に難しくて、しっかり切って合わせていくというのがなかなかできず、そこでも何度も録り直しを受けました。なんとなくで覚えてきたものをしっかり理解できるようになったのは、すごい糧になったなと思います。
――つんく♂さんがブログで面白いことを言っていて、2コーラス目の「依存していちゃ?」の部分、ほかの二人はちゃんと歌えるのに、白岡さんだけが「依存しつぇいつぁ?」としか歌えなかったと。「なので! ここは絶対に白岡にソロで歌わせようって思いました」と書かれていました。つんく♂さん好みのアクセントなのかなと思ったのですが、意識してのことですか?
白岡:あれ、私もつんく♂さんのブログを読んで知ったんです。全然無意識で、おかしいな、ちゃんと言っていたつもりなんですけど(笑)。言えてないですか?
――よく聴くと、という感じで。でも、それを聴き逃さないつんく♂さんもすごいなと思いました。
熊澤:面白いよね。言えない子で、あえてソロパートを作るのが(笑)。
白岡:YouTubeでフルバージョンのミュージックビデオが公開されているので、ぜひ聴いてみてください!
――つん♂タス♀は1年間の期間限定プロジェクトということですが、この期間で成し遂げたいことはありますか?
白岡:つんく♂さんのお力を借りられるのは光栄なことなので、タスクを新しいステージにステップアップさせて、北海道のおじいちゃんから沖縄のおばあちゃんまで、たくさんの方に知ってもらえるようなグループにしていきたいです。
――このあとリリースイベントを挟んで、11月22日(日)にZeep Diver Cityで有観客ライブを開催します。久しぶりに観客を迎える気持ちはどうですか?
白岡:単独ライブは1年ぶり。お客さんの前では9カ月ぶりなので、タスクのライブってこんなに楽しかったんだと思ってもらえるようなライブにしたいです。私たちも楽しみですし、久しぶりのタスクを存分に見てもらいたいです。
(取材・文:鈴木康道)
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