ビッケブランカ VS 岡崎体育インタビュー「僕はピエロになりきろうっていうつもりで音楽をやってるから、そういう意味では化かす、化かし合うっていうのはピッタリだなと」【後編】

2020/10/28 17:02 配信

音楽

ビッケの後頭部から指を出す岡崎撮影=大石隼土

あんまり日本の文化では定着してないところなので、そのきっかけになれば嬉しい


――今回の新曲を簡単に紹介するとしたら、どう言葉にしますか?

ビッケ:音楽の楽しみ方として新基準の曲になってるというか。日本だと、Aメロがあって、Bメロでちょっと変化して、大きく歌えるサビがあり、最後は「ありが〜とう〜」みたいな言葉で締めくくる曲が多いじゃないですか。それは日本が生んだ素晴らしい文化だと思うんですけど、テクノやハウスって曲の作りが全然違うんですよ。だからこそ、(日本では)メインストリームに出てこれないんですけど。

――そのあたりについて、詳しく教えてもらえますか?

ビッケ:ポップスで言うAメロ、Bメロ、サビは、ダンスミュージックだとバース、ビルド、ドロップと言われてて。ドロップがサビみたいな存在なんですけど、そこには歌がなくて、歌い上げるのはビルドの部分なんです。じゃあ、ドロップは何なのかと言えば、ビルドからドーンと落として、聴いてる人はただ叫び、自分自身が主人公になれるようなものを提示するところ。そういう手法は日本じゃ浸透してないんですけど、この曲はメロディーメイキングのセンスと意図があれば、それでもちゃんといい曲として届けられるという証明になってると考えてて。そこに気付いてもらえたら嬉しいなと思ってます。

岡崎:サビに歌詞がないので、この曲。そこが今、あんまり日本の文化では定着してないところなので、そのきっかけになれば嬉しいですね。サビじゃなくてドロップというのが、今のワールドスタンダードになってるし、そこも楽しんでもらえたら。

――ポップスとしてもとらえられるような大衆性を帯びた出来栄えですし、いい手応えがあるんですね。

ビッケ:歌詞に関しても、2人ともずっと音楽をやってきて、歌うべきことは直感的にわかってますから。「幸せが何十年も続きますように」っていう分かりやすいコンセプトもあるし。

――こうやってお話を伺うと、これから先も共作が生まれそうな予感がしますよ。

ビッケ:だから、オレは「ユニットになろう」って言ってるんですよ。(オレが)キツネで(岡崎が)タヌキっていう動物だから、LIKE ANIMALSっていうユニットにしようって。

岡崎:名前がダサいな(笑)。 ビッケ:アルファベットで表すときはALSにしてさ。 岡崎:もう、ビッケブランカ VS 岡崎体育っていうこのままでええやん。

――ハハハハ(笑)。以前から交流があったからこそのムードなんでしょうけど、企画物という感じがしないですよね。

ビッケ:確かに、確かに。

――お二人が楽しんでるのが曲にしても、こういった取材の場でも伝わってきて。制作の役割を逆にしたバージョンの曲も聴いてみたいですし。

岡崎:レーベル間のパイプ工事はもう終わったんで、ここからは自由に行き来もできますしね。

――ライブの場でこの曲が響くことも楽しみにしてます。

ビッケ:そうですね。バース、ビルド、ドロップっていう流れの素晴らしさを2人で届けられたら、日本はただの島国じゃなく、自分たちの文化を持ちつつも音楽的に世界標準になっていくんじゃないかっていう狙いもありますし。

岡崎:ULTRA JAPAN以外のいわゆるロックフェスでそういうことをやっていければ。 ビッケ:そうやって、新しい音楽の楽しみ方を解放していければいいなと思ってますよ。