対するジェイソン・マロニーは、これまで22戦21勝18KOという戦績を誇るハードパンチャー。ボクシング界で「主要4団体」と呼ばれるWBA、WBC、WBO、IBF各団体のランキングではいずれも上位に入っている実力者だ。
プロデビューから17連勝を飾ると、井上も参戦したWBSSバンタム級のトーナメントにエントリー。2018年10月に当時IBF世界バンタム級王者だったエマヌエル・ロドリゲスに挑むも、僅差の判定で敗れ初の敗戦を喫している。
井上が難なくKOした相手に敗れていることから、三段論法的に「井上の圧勝」を予想する声も多いが、マロニーがキャリアで敗れたのはこの1試合のみ。その後は4連続KO勝利と確実に調子を上げてきており、決して楽観視できる相手ではない。
また、井上がドネア戦で負った眼窩底骨折の回復具合や、目をけがしたことに対する心理的影響を不安視する声もある。だが、自身初の“ラスベガス決戦”に臨む井上に油断の色は皆無。公開計量でも完璧な仕上がりを見せており、結果以上に内容が問われる一戦でも期待通りのパフォーマンスを見せてくれそうだ。
少々気の早い話ではあるが、マロニーを退けた先には一度試合が流れてしまったカシメロとの3団体統一戦、そして日本人初のバンタム級4団体統一という夢が現実味を帯びてくる。“モンスター”井上尚弥が、聖地で再び世界を驚かせてくれることを期待しよう。
なお、WOWOWの生中継には、WBA世界ミドル級王者の村田諒太がゲストで登場。この試合で解説を務める西岡利晃ともどもラスベガスでの試合経験がある村田が、無観客で行われるこの一戦を現役王者としてどう見るのかにも注目だ。
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