――「羅小黒戦記」の印象はいかがでしたか?
「すごい時代になったな」と思いました。これまで“アニメ=日本”という印象だったのが、映像もメッセージ性も素晴らしいアニメが違う国から出てきてすごくうれしかったです。
映像は一つ一つのシーンを「ポスターにして飾りたい!」と思うほどきれいでしたし、戦闘シーンも、こんなになめらかで迫力のある戦闘シーンが他の国の作品で見られるなんて!と思って。
そして、その中に“日本のアニメの息吹”のようなものも感じました。
――日本のアニメの息吹、といいますと?
違ったらめちゃくちゃ申し訳ないのですが、個人的には、例えば緑の感じは(スタジオ)ジブリ作品を思わせるなと。「もののけ姫」(1997年)みたいだなって感じましたし、戦闘シーンを見てすごく「NARUTO」(2002年)って思いました。
――ユーモアのセンスにも日本っぽさを感じました。
そうですね。例えばアメリカのアニメ「パワーパフガールズ」(1998年)とかって、色彩から何から日本のアニメとは全然違うじゃないですか。それはそれで面白いんですけど。でも「羅小黒戦記」には日本に近いものを感じました。
例えば、シャオヘイがムゲンから逃げようとして失敗するシーン。シャオヘイが捕まるところは直接は表現されていないんですけど、次のシーンではムゲンにぐるぐる巻きにされたシャオヘイがいるんです。それって、すごく「今まで見てきた感じ!」って。
――物語の中では「人間だけれども妖精と共存していきたい」ムゲンと「妖精の居場所を奪った人間を許せない」フーシーの対立が描かれていました。
どちらの気持ちが分かるからこそ苦しい。
多分ムゲンもフーシーの気持ちがすごく分かるし、フーシーも自分がいかに愚かなことをしているのか分かっていて。
それでもどうしても譲れないものがあるし、ムゲンは共存する世界を守っていきたいしっていう、“分かり合えるからこその苦しさ”がすごく見える作品かなと思うので、どちらにも共感しました。
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