観客が戻ったSKE48劇場公演で感じたステージと客席の新しい「コミュニケーションの形」<コラム>

2020/11/04 06:30 配信

アイドル

SKE48 チームKII「最終ベルが鳴る」公演(2020年11月3日)(C)2020 Zest,Inc.

8人体制での公演で感じた従来の公演との違い


さて、観客有りの状態で比べれば、出演メンバーが16人から8人になり、定員も40人となったため、劇場公演は客席からの見通しが良くなった。下手後方にあるプレスエリアから観覧させてもらったが、舞台上の人数が少ないため、上手後方にいるメンバーまでしっかりと見ることができた。

これまでは全体曲ではステージ上に16人が立っていたので、下手側から上手後方のメンバーを見ることは難しかった(逆も同様)。もちろん、こちらからよく見えるようになったということは、ステージ上からもよく見えるようになったということである。

しかし、それ以上に大きな違いを感じたのが、メンバーと観客との「コミュニケーションの形」だ。

当然、新型コロナウイルス感染防止のため、観客が声援を発することは禁止されている。劇場公演では、最初のMCでメンバーがキャッチフレーズをする際にコール&レスポンスが行われるのだが、11月3日の公演では、10月26日の公演で一部メンバーが行っていた、身振り手振りを声の“レスポンス”の代わりにする方法を8人全員が採用。また、片岡、北野、日高、水野のMCでは、ペンライトやうちわを使った「旗上げゲーム」が行われ、声援に代わる客席との新しいコミュニケーションの形が見られた。

毎回何かゲームをやればいいというわけでもないし、今は公演の申し込みが従来と異なり“ファンクラブ枠”が中心となっているため、劇場公演に慣れているファンが多いからこそできたことかもしれない。チームE「SKEフェスティバル」公演の「ハートのベクトル」で観客用の手振りがあったりはするが、推しの色を振るだけではない、メンバーとファンのノンバーバルコミュニケーションという形での劇場公演の“余地”を探るいい機会になるのではないだろうか。

特に、メンバーのキャッチフレーズに対する動きの“レスポンス”は声とも併用できるので、公演中に水野が言っていたように、以前の公演の形に戻った際にもそのまま定着していることは十分に考えられる。

SKE48は11月8日(日)にチームS、14日(土)にチームEが有観客公演を再開させる。両チームのファンはチームKIIの公演が続いてやきもきしていたかもしれないが、その分チームKIIの2回分の経験値が共有されて、最初から各メンバーが工夫してくる姿を期待できるのではないだろうか。