「殺意の道程」バカリズム&井浦新インタビュー(前編) バカリズム「井浦さんの名前を出された時に『正解が見つかった』と思った」

2020/11/06 06:00 配信

ドラマ

11月9日(月)よりスタートするWOWOWオリジナルドラマ「殺意の道程」(WOWOWプライム)。バカリズムが脚本を手掛けた本作は、“復讐”というシリアスな設定の中で、普通の作品なら省略されるであろう「どうでもいい部分」をやたらと細かく、リアルに描いた新感覚サスペンスコメディー。二人の男が復讐へと突き進む姿を時にシリアスに、時にユーモラスに描いていく。

今回、本作でW主演を務めるバカリズム井浦新にインタビューを敢行。前編となる今回は、脚本も務めたバカリズムに「どうでもいい部分」にこだわった理由などを尋ねるとともに、「コメディーへの出演が少ない」という井浦に演じる上での難しさなどについて語ってもらった。

WOWOWオリジナルドラマ「殺意の道程」でW主演を務めるバカリズム(右)、井浦新(左)カメラマン=中川容邦/スタイリスト=高橋めぐみ(バカリズム)、上野健太郎(井浦新)/ヘアメイク=鈴木海希子(バカリズム)、山口朋子(井浦新)

「普通のドラマなら省略される部分を膨らませるドラマにしたかった」(バカリズム)

――まずバカリズムさんにお伺いしたいのですが、今回のドラマ「殺意の道程」について、企画段階ではどのようなことを考えて脚本を執筆されていたのでしょうか。

バカリズム:まずコメディーっていうのは前提にあったんですが、いわゆるサスペンスドラマで普通ならカットされるような部分というか、描かれていないような部分をすごく細かく描いてみたら面白いんじゃないかと思って。

あとは、実際にこういった完全犯罪を企てている人がいたら、24時間ずっとそのことを考えているというよりも、全然関係ないことも考えたりするだろうなとか、そういったところから発想していきました。

――本作でここまでディテールにこだわって描くことにした理由は、どのようなことなのでしょうか。

バカリズム:僕のくせというか、もともと「性格が細かい」というのと、やっぱり芸人だからか、ドラマとか見ているとちょっとツッコんでしまうんです。「そんなこと普通あり得ないだろ」とか、無意識のうちにそういう目を持ってドラマを見てると思うんです。

普通のドラマを見ていても、「ここからすぐ次のシーンに行ってるけど、現実だったらこの間にこういうやり取りはあるよね」とか。そういった省略されるところを多めに膨らませるドラマにしたいなと、今回のドラマでは特に思いました。

そういう部分をより細かく描いた方が面白いっていう思いは、ドラマを書く時は基本的にありますね。(これまで脚本を書いてきた)他のドラマでも、普通のドラマで省略されるような部分を膨らませるのは好きでしたね。

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