女優・映像作家として活躍する小川紗良が、11月6日より全国で公開中の映画「ビューティフルドリーマー」で主演を務めている。
「踊る大捜査線」シリーズなどを手掛けた本広克行監督がメガホンを取った本作は、映画研究会の部員たちが映研に伝わる“いわくつきの台本”を映画化するために奮闘していくエチュード。出演者たちの即興による化学反応で物語が進行していく。
大学時代に映画サークルで作品を作っていたという小川を直撃。撮影現場でのエピソードや映画サークル時代を振り返ってもらった。
――本作に出演した感想から聞かせてください。
本広監督はもともと「さぬき映画祭」でお世話になっていたんですけど、ずっと私が監督と女優の活動をしていることを知った上で、自分そのものみたいな役を頂いたので、それがすごくうれしかったです。
――撮影現場で苦労した点や印象に残っていることは何ですか?
普通は、脚本にせりふや動きが細かく書いてあるのですが、話の大枠だけがあって、後はみんなが即興で作っていくという感じだったので、最初はどこに向かっていくのか、どういうテンポでやったらいいのか、つかみ切れなくて悩んでいました。
でも、最終的にはみんな仲良くなってチームワークができたので、それで乗り切った現場だったなという印象です。
――撮影に入る前、事前準備は何かされましたか?
私の場合はもともと映画サークルで監督として映画を撮っていたという経験があるので、その時のことを思い出したり、同時期に自分の監督作があって、その準備期間で脚本を書いていたので、監督としての時間も役作りになっていました。
監督としての気持ちをそのまま現場に持って行くことができたので、与えられたシチュエーションをそのまま受ける形でやっていました。
――撮影現場からは、映画サークルに所属していた当時の雰囲気を感じ取れましたか?
そうですね。特に部室の美術はそのまま映画サークルだなという感じがしました。あと伝説の先輩みたいな人がフラッと来るとか、至るところで映画サークル感みたいなものはありました。
――監督からはどのような演出がありましたか?
本広監督は直接的に演出をすることはなくて、ただ時々、映研部員っぽい映画のタイトルや撮影用語を「言ってみて」と、ちょっとしたアイデアを投げ込んでこられる感じでした。だいたいは映研部員の即興でしたね。
――本広監督の監督ぶりを見て学んだこともあったと思います。
直接的な演出がなかったので自分とはやり方が違うなとは思いましたが、常にニコニコされてどっしりと構えていらしたので、そういう雰囲気は大事なことかなと思いました。
――ハプニングが起こる映画でしたが、撮影現場で実際に起こったハプニングはありましたか?
現場で本広監督の思い付きで追加されたシーンはいくつかありました。
そのうちの一つに私が部室でナレーションを読むシーンがあって、映画の登場人物なのに急にカメラの前でナレーションを読み始めるという映画の外側にいるような不思議なシーンだったんですけど、そこが急に追加されたんです。
しかも、読むナレーションを自分で書くことになって、現場で慌てて書いたのが私の中ではハプニングでした(笑)。
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