世界的な“シティ・ポップ”ブームの今こそ! 豪華メンバー共演のブレッド&バター50周年記念コンサートがいよいよ放送

2020/11/10 07:00 配信

音楽

兄弟デュオ、 ブレッド&バターのデビュー50周年を記念し、豪華メンバーと共に繰り広げたコンサートの模様を収めた「ブレッド&バター 50周年スペシャルコンサート~あの頃のまま~」が、11月12日(木)夜7:00よりWOWOWライブにて放送される。

1969年のデビュー以来、“湘南サウンド”の始祖として愛され続けて来たブレッド&バター。2015年以降は兄・岩沢幸⽮、弟・⼆⼸それぞれソロ活動に取り組んでいたが、2019年に再始動。そんな彼らが2020年10月10日、50周年の集大成となるコンサートを東京・大手町三井ホールにて開催。このライブの模様をレポートする。

オープニングは“盟友”へ捧げる一曲を披露!

湘南育ちの二人が見せる爽やかなポップサウンドの数々は、誰の心にもある美しい時間を想起させる

波の音がSEとして流れる中、幸矢と二弓が二人で登場。歌い始めたのは、2020年8月に逝去した岸部四郎とのユニット“シローとBREAD&BUTTER″の楽曲である「野生の馬」。冒頭で盟友へ向けた追悼のハーモニーを響かせた。

その後、林立夫(Dr./ex.ティン・パン・アレー)、小原礼(Ba./ex.サディスティック・ミカ・バンド)、 鈴木茂(Gt./ex.はっぴぃえんど)、松任谷正隆(Key./ex.ティン・パン・アレー)からなるスーパーバンド・SKYEが登場すると、ステージは一変して賑やかに。1960~70年代のブレッド&バターのレコーディングに参加していた彼らと共に、軽やかにして芳醇なシティポップサウンドを展開していく。

序盤では「湘南ガール」「HOTEL PACIFIC」「海岸線」など、海の情景が浮かぶ楽曲群をセレクト。SKYEメンバーとの出会いを振り返るMCの流れで、デビュー曲「傷だらけの軽井沢」をワンコーラスだけ披露すると、観客からは大きな拍手が起きた。

代表曲からレア曲まで、キャリア総ざらいの贅沢なセットリスト!

【写真を見る】松任谷由実、ティン・パン・アレーら、日本のポップミュージックを共に切り拓いてきた仲間たちとのエピソードも次々と!

当時東京の拠点として中目黒に借りていた同番号の部屋で生まれたという「#405」、ロンドンでレコーディングを行ったアルバム『IMAGES』(1973年)制作時に未収録となった「TELL ME」(10月7日にリリースされたコンピレーションアルバム『Light Mellow BREAD&BUTTER』に初収録)など、セットリストは多彩そのもの。楽曲秘話や当時の笑い話を交えながら、コンサートは和やかに進んでいく。

後半には、松任谷由実(呉田軽穂名義)による提供曲で、 公演タイトルにも冠した名曲「あの頃のまま」を披露。「ユーミン、(会場に)来てくれてます。緊張するけどマスターピースの1曲なのでしっかり歌いたい」という幸矢の言葉通り、ユーミン節がにじみ出た切ない楽曲をエモーショナルに歌い届けた。

ウェットな質感で異彩を放つ自作曲「センチメンタル・フレンド」では、二弓が思い入れたっぷりに熱唱。また、各種音楽ストリーミングサイトで近年人気を集めているとの談話に続き、「SUMMER BLUE」を軽やかにプレイする一幕も。終盤は代表曲「ピンクシャドウ」で沸かせ、「LET US LOVE」で本編を締めくくった。

フォークからシティ・ポップ、ボサノヴァなど、多彩なジャンルを行き来するセットリストと、豪華メンバーによる円熟の演奏は必見!


アンコールでは、スティーヴィー・ワンダーとの交流から生まれた「特別な気持ちで」を演奏。新型コロナウイルス感染防止対策のため発声は制限されていたものの、この曲で会場の心を一つにする。その後、人との繋がりをロマンティックに歌った「FINE LINE」から、最後は松任谷と3人で代表曲「マリエ」を披露。

幸矢はこの日一番の透明度を誇るハイトーンを切なく響かせ、二弓は柔らかく爪弾くコードとコーラスでそっと寄り添った。和気あいあいと進んできたコンサートだったが、最後は観客を曲の世界へと引き込んで静けさの内に幕を閉じ、深い余韻を残した。

半世紀を経てなお、ブレッド&バターの音楽が色褪せないことを実証したこの日のライブ。共に70代の二人が後半へ進むにつれて歌声も音色も輝きを増していったことにも驚かされ、幸矢は「またこんな素敵な人たちとできたらうれしい」と繰り返し述べるなど、今後の活動への期待が高まるステージとなった。

松任谷正隆、鈴木茂ら盟友たちも集結! 「ブレッド&バター 50周年スペシャルコンサート~あの頃のまま~」が11月12日(木)放送