心と体が一致しないトランスジェンダーのリンコ(生田斗真)と、彼女を取り巻く人々を描いた荻上直子監督の最新作「彼らが本気で編むときは、」(2月25日・土公開)で、リンコと暮らす恋人・マキオを演じた桐谷健太。映画やドラマ、CM、さらに歌手としても活躍中の桐谷に、映画に込めた思いを聞いた。
――オリジナル作品「彼らが本気で編むときは、」の脚本を読んだ第一印象は?
すごくいい脚本だなと思いました。原作のないオリジナル作品ということもあり、空気感や雰囲気でどんどん人をひきつける、とても映画らしい話です。この脚本で映画を撮れるのは、すごく幸せなことだなと思いました。
――撮影の前には、トランスジェンダーの知人の方からお話を聞いたそうですね。
トランスジェンダーの人と付き合っている人や、結婚したいと思っている人について聞きました。でも、やっぱり人それぞれなんですね。ただ、きちんと付き合ったり、結婚という部分でまだ日本は理解が少ないんです。だからマキオは物腰や喋り方は柔らかいけど、それとは裏腹にすごい男らしいやつなんだろうなって感じました。病院でリンコさんが男部屋に入れられた時、ちゃんと怒ったりするじゃないですか。マキオってオラオラ系じゃないし、普通にフワっとそこにいるだけなんだけど、リンコさんにとっては実は頼りがいがある人物だろうなって、自分の中でどんどんどんどんイメージが沸いてきました。
――生田斗真さんの恋人役を演じるにあたり、心掛けたことは?
自分はマキオ、斗真はリンコさんとしてお互いがその役を全うするということですよね。もともと斗真とはドラマで共演してたし、その打ち上げでキスも経験済みで(笑)。そんな距離感の近さも功を奏したんでしょう。僕らは二人でいて普通に沈黙する時があっても、それがぜんぜん苦にならない。やっぱり初めましての人じゃなく、斗真とだったから良かったんだろうなっていう感じはすごいあります。
――実際にリンコさんを演じる生田さんと共演していかがでした?
最初に脚本を読んだときに、斗真ならリンコさんの役は合うだろうなとは思ってました。でも、斗真はすごく大変だったと思うんです。現場でも荻上監督からは「男の声になってます」とか言われたり、座り方ひとつ取ってもそうですよね。監督自身この映画は勝負、人生を賭けてるくらいのことをおっしゃっていたので、自分としても斗真や監督のために何かできたらいいなという思いはありました。ちょっと自分、性格変わったかなって(笑)。
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