洋館は1932(昭和7)年に神戸の貿易商・土井内蔵の別荘として建てられ、1937(昭和12)年に元海軍少将・沖本至の手に渡った。そしてその次女と三女が住み続けてきた。建物にはほとんど手を加えず、建築当時の建具や床板がそのまま残っている。
洋館はうっそうとした木々に囲まれ、これまで外から様子をうかがい知ることはできなった。久保さんは木を伐採して庭を整備し、損傷の激しかった洋館はなるべく原状のまま復元した。そして開業のためカフェの専門学校にも通い、メニューは洋館の雰囲気に合わせて煮込みハンバーグやオムハヤシなどの洋食や、スイーツを用意。
周辺の住民もほとんど敷地内に入ったことはなく、まるでタイムスリップしたかのような洋館に驚きを隠せない。館内には沖本一家が使っていたソファーや蓄音機などがそのまま残され、空襲で焼け焦げた跡も生々しく残っている。また洋館の隣には1940(昭和15)年に増築された渡り廊下でつながる和館があり、久保さんは今後和館の修繕にも取り組む。
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