三浦春馬さんが魂のこもった演技を披露! 映画「天外者」五代友厚の人物像をひもとく

2020/11/18 07:00 配信

映画

映画「天外者」で三浦春馬さんが演じる五代友厚が、どんな人物だったのかをひもといていく(C)2020「五代友厚」製作委員会

三浦春馬さんの主演映画「天外者」が12月11日(金)に公開。それを前に、今回は三浦さん演じる五代友厚がどういう人物だったのかをひもといていく。

五代友厚の一生を描いた同作。激動の幕末から明治初期、日本の未来のために駆け抜けた五代は、武士の魂と商人の才を持ち、薩摩藩士から明治政府役人を経て実業家となり、今日に続く商都大阪の基礎を作り上げた。

近代日本経済の基礎を構築し、また現代日本の繁栄に非常に大きく関わるなど、東の渋沢栄一、西の五代友厚とも評される功績を挙げながらも、歴史の中でも大きく取り上げられてはいない五代。

連続テレビ小説「あさが来た」(2015〜16年、NHK総合ほか)では、ディーン・フジオカが五代を好演し、“五代様”が1つの社会現象になった。

知られざる偉人・五代友厚をひもとく


近代日本経済の基礎を構築し、稀代の「天外者(てんがらもん)=すさまじい才能の持ち主」と呼ばれた五代。

土佐の坂本龍馬、岩崎弥太郎、長州の伊藤博文ら同年代の若者たちと学び、遊び、夢を語り合い、さらには高杉晋作、勝海舟、大久保利通、西郷隆盛、大隈重信、トーマス・グラバーといった日本を語る上で欠くことができない偉人や傑物たちとも交わり、友として彼らを支えた。

武士の身でありながらも上海に渡って蒸気船を購入し、海外貿易による商業立国を説き、イギリスへ留学生を送り出し、自らもヨーロッパを視察。
まさに五代は、「誰もが夢を見ることができる国」を作るべく、世界中の知見を手に入れ、また大久保利通らを支え殖産興業、富国強兵などに邁進させる。

明治政府が誕生すると政府役人となるが、大阪を「東洋のマンチェスター」に発展させるため実業家に転身。明治11年には大阪に商法会議所を作り、貨幣造幣局の設立、電信・鉄道・紡績・鉱山など多くの事業を精力的に手掛け、現在の大阪証券取引所・大阪商工会議所・大阪市立大学など膨大な数の組織や企業の設立に尽力する。

明治11年には大阪に商法会議所を作った際には、自ら会頭に就いた五代。同時に株式取引所も創設させ、大阪財界を復興させる。

同年、東京では渋沢が東京商工会議所を創設し、「東の渋沢栄一、西の五代友厚」と呼ばれるようになった。
渋沢よりも4年早い明治2年には民間に転じていた五代は、時代の一歩先を見据えて新しい時代を作ろうとしていたのだろう。五代の「誰もが夢を持てる国作り」の志を、垣間見ることができる。

現代日本の繁栄は、五代と渋沢によって実現したといっても過言ではない。今自然災害や新型コロナウイルスなどの危機に瀕(ひん)している現代で、今こそ危機の時代に夢を見ることができる国を作ろうとした五代に、学ぶべきところはたくさんあるのではないだろうか。

五代の「志」は、今の現代人の心の中にも生きているはず。五代の生きた時代と人間像を描いた同作からは、激動の時代を駆け抜けた薩摩の男を感じられ、「天外者」を体感することができる。また、ラストシーンで三浦さんが見せる、魂のこもった演技に胸を打たれる人も多そうだ。

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