――作品の印象は?
岡田さんの脚本には、セリフやト書きに“どうとらえるかは役者次第”みたいな余白が多くて、こういう余白があって考えさせられるものをやりたいと思っていたので、とてもうれしかったです。台詞は説明台詞じゃなくて、ちゃんとその人の心が動いたときに発する言葉になっていて、こういう作品をやらせていただいて、さらにうれしくなりました。
――本作のような“家族”がテーマの作品に出演された感想は?
父親と二人のシーンが多いのですが、私自身、父親と二人っきりで生活することが人生で一度もないので、少し難しかったです。全父親が感じる、娘に対しての思いみたいなものがあるのかなと思うと、より切ないというか、娘なのにちょっと他人感があるというか…。ただ、自分の命と向き合うときに、そこを少しだけ近づけていくのはすごく美しくて、そういう選択があるのだと感じました。
病気や余命があっても、これだけ日常を尊く映しているのを見て、お茶を入れるにしても、ご飯を作るにしても、ただ家で過ごすにしても、自分自身の生活にも豊かさを生み出すことに幸せを感じられる、今の自分だからこそできる作品だと感じました。 特別な喜びを求めるのではなく、ただ一緒においしいものを作って、おいしいって言えて、その空間すらもなにか心地がいいというか。
最近は、自分で自炊したものがすごくおいしくて、体も心も喜んでいるのが分かるんです。それが幸せだと感じられる自分になれたときに、こういう作品に携わることができているなんて、すごいタイミングだなと思います。ありがたいです。
――石橋冠監督とは初めてとのことですが、印象などお聞かせください。
スタッフ含めみんなが尊敬していて、慈しんでいて、ついていきたいと思っている監督です。作品中のキャラクターを愛してしてくださっているのが伝わってきますし、監督の雰囲気がこの物語を作っている感じがして、今回ご一緒できてとてもうれしいです。ずっとやりたいと思っていたので、これからもこういう作品をやっていきたいです。
――視聴者のみなさんへメッセージをお願いいたします。
台本を読んでも、現場に入ってからも温かい気持ちになれて、今の自分だからできると思える作品に出合えました。この作品に込められた穏やかさとか温かさとか優しさとか、日常の尊さみたいなものが伝わって、見てくださっている方々の生活が少しでも温かくなったらいいなと思います。見てほしいです。ちゃんと伝わったらいいなと思います。放送が楽しみです。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)