「JNN報道特集」としてスタートし、2020年10月に放送40年を迎えた土曜夕方放送の調査報道番組「報道特集」(毎週土曜昼5:30‐夜6:50、TBS系)。10年以上同番組に携わるのが、金平茂紀(かねひら・しげのり)キャスターだ。12月に67歳になる現在も、最前線で取材を続ける金平キャスター。直近ではアメリカ大統領選を現地に赴き取材し、各地の状況を伝えた。その米大統領選取材の話を中心に、番組や時代への思いまでインタビューした。
――まず、アメリカ大統領選挙取材のお話を聞かせてください。現地で取材されていかがでしたか?
今回は主にワシントンD.C.に居ましたが、ペンシルベニア、ミシガン、バージニア、ミネソタ、アラバマにも行きました。今アメリカは、新型コロナウイルスが大変なことになっていて、感染者数で言うと世界のおよそ20%を占めています。他の放送局・番組で現地入りしたキャスターはほとんどいないですが、当事者の話を聞くことを大切にしている「報道特集」としては、リスクを取ってでも現地に行きました。やっぱり日本で見ているのと、現地に行くのとでは全然違う。現地に入って今回の特殊性がよく分かり、とてもやりがいがありました。
米大統領選は、これまで何度も現地で取材しています。ワシントン支局長だった2002年~2005年はジョージ・W・ブッシュの2期目(2004年)、2008年から2010年にニューヨークにいた時はバラク・オバマ初当選(2008年)、この「報道特集」でドナルド・トランプの当選(2016年)も現場で取材しました。
米大統領選挙というのは、アメリカでは4年に1度の国を挙げてのお祭りなんですよ。メディアにとっても文化としても一大イベント。取材していても楽しいものです。
――選挙の結果、行方について、どうとらえられていますか?
アメリカが大きく2つに分かれ、得票数を見ると両者とも過去最多の7,000万票以上を得た。差が500万票以上あり、まだ確定していないけれど、トランプが負けました。トランプが今やっているのは悪あがきですよね。来年の1月20日の就任式に向けていろんなことをやるのでしょうけど、この結果は覆らないでしょう。
トランプ本人はしがみついていて、負けを認めない大統領、きっとアメリカ歴史上初めての事態になる。おそらく最後まで認めないでしょう。「負けた」と言わないんじゃないかと。「これ以上長引かせたらアメリカ国民に迷惑がかかるから俺は引くけど、負けてはいない」という言い方で終わるとか、そのように予想しています。
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