――現地で触れたトランプ支持者の印象はいかがでしたか?
間違いなく4年前よりも、トランプ支持者の熱望というか熱狂ぶりはさらに深まっていました。集会では宗教団体の取材に来ているような印象すら受けました。
私たちは中国メディアと間違えられまして、トランプはコロナウイルスをチャイナウイルスだと、中国に対する憎悪をあおっていたから、トランプ派の集会に行くと怖かったですよ。参加者が指を立ててきたり、憎しみを浮かべた表情で見てきたり。ヘイトクライムみたいなものがあるんですよ。
そもそもトランプ派の人々はメディアを敵とみなしていて、世論調査でも本当のことを言わないんです。「隠れトランプ」と称した日本のメディアもあるけれど、そんなレベルじゃなくてね。メディアになぜ本当のことを言わなきゃいけないのか、みたいな、もっと強い不信感というか、対立、憎悪と言ってもいい意識がある。今回、取材していてここまで来たんだと思わされました。
――取材で特に印象に残っていることを教えてください。
歴史的な場面に立ち合えて良かったと思うのが、「史上初の女性の副大統領誕生」ですね。カマラ・ハリスはとてもカッコいい。勝利宣言の時、カマラ・ハリスは真っ白いスーツを着て現れ、胸を張って「私は最初の女性の副大統領かもしれないが、最後ではない。私の後にも続くのよ」と語り、ものすごい喝采を浴びていました。希望にあふれたメッセージに感動しました。
日本ではまだまだ女性の地位が決して高くはないですけど、アメリカは戦って、勝ち取ってきた。副大統領は国のナンバー2ですからね。大統領に何かあったら彼女が大統領になる。正直なところ、そんな状況をうらやましいなと思いました。ダイナミズムというのかな、そういうエネルギーを現場で体感できたのはありがたいことでしたね。
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