神宿・塩見きら、透明感あふれる歌声が魅力も「私自身は自分の声が嫌いなんです(笑)」<Interview後編>

2020/11/28 08:00 配信

音楽 アイドル インタビュー

神宿・塩見きらがインタビューに応じた撮影:永田正雄


――Twitterで今回のソロ曲「Twenty」について「今 何かを掴もうとしている貴方へ送る歌」とつぶやいていましたが、きらさんが今掴もうとしているものは?

もっともっと幸せになりたいと思っています。今もすごく幸せだけど、それでも自分のことでいっぱいいっぱいになってしまうことが多いし、まだまだ心を開けない部分も正直なところあって。

1年前や2年前と比べたら少しは人と話すことが楽しいなって思えるようになってきたけど、やっぱり自分のことを話すのはすごく苦手だったりするんです。
人のことを知ろうと思うことにためらいを感じたりすることもすごくあって、そういう自分を変えたいと思っている。

自分が掴んだ幸せをいつも応援してくれて私を助けてくれるみんなに分け与えたいというか、幸せをあげたいなって思っています。

――自分のことを話すのが苦手だということですけど、インタビューを受けることで新しい発見だったり「あ、こういうことを思っていたんだ」と気付いたりすることはありますか?

それはすごくあります。自分の人間性だったり、普段考えていることをライブのMCやSNSで発信するタイプではないのでインタビューをすごく大事にしているんです。
こういう場で何かを発言することでみんなにも私のことを理解してもらえるのかなって。

だから、インタビューの前は自分の考えていることだったり、シングルやアルバムについての取材だったら曲作りのことを思い返して話したいことや伝えたいことをメモしたり。いろいろ準備をしてから臨むようにしています。

その中で「あぁ、自分ってこう考えていたんだ」とか「昔とは考え方が変わってきているんだな」って気付いたりすることがあります。

――また、お話を伺う機会があったら、今回とは違うきらさんに会えるかもしれないですね。

そうですね。また違うことを考えているかもしれないですし、全然変わっていない部分もあるだろうし。それは、こうしてアイドルになっていろいろなお話をする機会がなかったら自分では分からなかった部分だなって思います。

――きらさんといえば、地声と歌声のギャップが魅力の一つなのかなと思っているんですが、自分では“声”についてどう思っていますか?

歌声に関して「透明感」みたいなことを言ってくださるのはすごくうれしいんですけど、私自身は自分の声が嫌いなんです(笑)。

――それは地声も歌声も?

そうですね。あまり好きではなかったんですけど、それを愛してもらっていることで、少しでも自分が誰かに認められたような気持ちになれるのはアイドルになってよかったなと思う部分でもあります。

――歌声に関して言うと、低い声と高い声のバランスがいいですよね。

よく「倍音成分」(低い音の基音に対して、それとは別に発せられている高い音を倍音と呼び、この2つが合わさった音色を聴いた時に別の基音に聴こえる効果)が良いと言っていただけるので「Twenty」もその倍音が豊かに聴こえるような曲にしようと思いました。

低い声だけど耳にスッと入ってきて、高い音だけど耳がキンキンしない声。それは学生の頃、合唱をやっていたことがすごく生きているのかなと思うから、あの時に誘ってくれた先生に感謝しているし、幼い頃から能楽でおなかから声を出す練習をしていたことが今になって自分のやりたいことに結びついているのがうれしいです。