中山卓也が“日本の迎賓館”に迫る!「僕が再現で演じさせて頂いた設計者の人生にも注目して頂きたいです!」【Interview】<世界ふしぎ発見!>

2020/12/19 12:00 配信

バラエティー

中山卓也が“日本の迎賓館”に迫る(C)TBS

くつろぎの時間という素敵なおもてなし


――「迎賓館赤坂離宮」を訪れてみていかがでしたか?

「迎賓館赤坂離宮」は、まさに豪華絢爛(けんらん)な宮殿でした。外観も内観もすべてが見所です。これをほぼ西洋建築がなかった明治時代に建造したというのが本当にすごいと思いました。

宮殿風ではなく、正真正銘の宮殿ですから。さまざまな宮殿建築様式と同時に最新技術も取り入れられていて、「日本もこれだけできるんだ!」という当時、建設に携わった人たちの気概を感じました。

赤坂離宮は、世界で最後に造られた西洋式宮殿と言われているのですが、まさに宮殿建築の集大成だと思います。ですが、圧倒的な美しさを誇るこの宮殿には、切ない歴史秘話がありました。赤坂離宮がたどる数奇な運命、僕が再現で演じさせて頂いた設計者の人生にも注目して頂きたいです!

――“西の迎賓館”と称された「奈良ホテル」はいかがでしたか?

クラシックホテルには、海外セレブの逸話があってミーハーな僕はそれだけでテンションが上がるのですが(笑)、「奈良ホテル」にはそれだけでなく心温まる秘話がありました。

心を込めたおもてなしをするというのは、ホテルとして当然のことかもしれませんが、もしそれが戦争中だったらと想像すると、自分はそうできるか正直自信がありません。

でも、「奈良ホテル」で働いていた方々は、戦時という過酷な状況の中でも、他国も自国も関係なく真心を持ってホテルに滞在する方たちに接していました。そうした誠意は、時に国同士の絆の原点にも成りうると知りました。

――「京都迎賓館」はいかがでしたか?

「京都迎賓館」は、見るものすべてに「おぉ!」と歓声が出てしまう赤坂離宮とは対照的でした。とてもシンプルなしつらえで、派手な主張はない自然と調和したデザイン。説明して頂くと、どれだけ貴重で高価なもので満ちているかを知り驚きなのですが、気持ちが穏やかになる建築でした。

伺ったお話で印象的だったのは、池のコイに餌をやるのがVIPの方たちに好評だということ。僕もニュースで見た事があります。「コイに餌なんて、公園やお寺でいくらでもできるのに」と思うのは、凡人の発想のようで(笑)。

日々分刻みのスケジュールをこなしているVIPの方たちは、来日中はもちろん自国でものんびりと池の魚を眺めることはないそうです。くつろぎの時間という素敵なおもてなしですね。

また、京都迎賓館の建設に携わった数寄屋建築の名工・升田志郎さんのお話も興味深かったです。先輩が手掛けたという四君子苑で、数寄屋建築について教えて頂いたのですが、建物のそこかしこ、いかに素晴らしいかを滞在中ずっと熱弁してくださいました。

そしてわかったのは、自然と調和したシンプルな空間は、実は細部にわたり計算し尽されているということ。さまざまな伝統技法によって、ほっとくつろげる空間が生み出されるのですね。日本建築の奥深さに感銘を受けました!

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