佐古忠彦監督の最新作「生きろ 島田叡-戦中最後の沖縄県知事」の公開が決定

2020/12/19 09:00 配信

映画

「生きろ 島田叡―戦中最後の沖縄県知事」ポスター (C)2021 映画『生きろ 島田叡』製作委員会

ドキュメンタリー映画「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」2部作で大きな注目を浴びた佐古忠彦監督による、知られざる沖縄戦中史に挑んだ新たなる野心作「生きろ 島田叡-戦中最後の沖縄県知事」が、2021年3月6日(土)に沖縄・桜坂劇場にて先行公開、3月20日(土・祝)に東京・ユーロスペースほか全国で順次公開されることが決定した。

同作は、沖縄戦を生き延びた住民たち、軍、県の関係者、その遺族への取材を通じ、これまで多くを語られることのなかった島田叡という人物の生涯と、語り継ぐべき沖縄戦の全貌に迫った長編ドキュメンタリー。佐古監督が新たに発見された資料を交え、知られざる沖縄戦中史に挑む。主題歌「生きろ」は小椋佳が担当。語りは佐々木蔵之介が務めている。

戦中最後の沖縄県知事となった島田は1944年、大阪府の内政部長を務めていたが、内務省より新たな沖縄県知事として任命される。転勤辞令を受けた島田は家族を大阪に残し、一人那覇の飛行場に降り立つ。

知事就任と同時に、島田は大規模な疎開促進、食料不足解消のため自ら台湾に飛び、大量のコメを確保するなど、さまざまな施策を断行。米軍が沖縄本島に上陸した後は、壕(自然の洞穴)を移動しながら行政を続けた。

だが、戦況の悪化に伴い、大勢の県民が戦闘に巻き込まれ日々命を落としていく。また、島田自身も理不尽極まりない軍部からの要求と、行政官としての住民第一主義という信念の板挟みになり、苦渋の選択を迫られる。

戦時下の教育により、捕虜になるよりも“自決=玉砕”こそが美徳とされた時代、しかし島田はそれに抗い、周りの人々に何としても「生きろ」と言い続けていた。その生き方、考え方が育まれてきた背景に迫る。