素人同然の高校生チアリーダー部が、全米チアダンス選手権大会でまさかの優勝を果たした実話を映画化した「チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」。主演を務めた広瀬すずは、好きな男の子を応援したいためだけにチアダンス部に入った友永ひかりを演じた。
「ひかりは自分のいいところも悪いところも全部分かっていて、自分のことを客観視できる女の子だと思います。お調子者ではあるけど、自分の思いに正直で真っすぐ。だからこそ、大喜びしたり、落ち込んだり、感情の振り幅がとても大きいんですよね。私自身は感情の起伏がそんなに激しくないタイプなので、そこの部分では違うんですけど、負けん気の強いところを含めて、感覚的にはすごく似ている気がします。なので、今回は役を作り込むことはせず、自分に寄せて演じるようにしました」
チアダンスは初心者でも、笑顔だけは誰にも負けないひかり。それが彼女の強みであり、取りえでもある。
「ひかりは周りを明るくさせる太陽のようなエネルギーを、天性のものとして持っているんだと思います。私は笑いのツボが浅いので、笑うには笑うんですけど、きっとひかりのそれとは違うんですよね…。だから、ひかりの持っている周りを明るくするパワーはすごくうらやましいですし、それを表現するために撮影中は、いつもよりもテレビの音量を上げて、音楽もかけて、音がない状況をほとんどなくし、常にONの状態でいるようにしてました。その反動なのか、撮影が終わってからはかなり無口になってましたけどね(笑)」
ひかりたちが挑むチアダンスは、チアリーディングのダンス部分を独立させた競技。アクロバティック部分は含まれず、4種のダンス技術、振り付け構成、チームの一体感などが審査の対象となり、広瀬たちはそれを表現するために撮影のかなり前から特訓を開始した。
「私はスロースターターなので、最初のころは『きょうも踊るのかぁ』って思っていたんですけど、撮影が近くなってくると、みんながどんどんうまくなっていって。私は練習に参加できない日も多く、置いていかれている状態だったから、みんなの頑張っている姿を見て燃えました。どうにか追い付こうと、ひたすら家で自主練をしたり、誰よりも早くダンスを確認したりするようにしてたんですが、自分の中ではかなりメラメラ感がありましたね(笑)。なので、ひかりがケガをして大会に出られなくなってしまったときの悔しさは理解できたし、みんなを大会に送り出すシーンの撮影では必死に涙をこらえていたんですが、カットがかかった瞬間に大号泣してしまいました」
チアの仲間を演じるのは、中条あやみ、山崎紘菜といった同世代の女優たち。劇中のチアダンス部JETSと同様に、大変な撮影を共に乗り切ることで絆を育んでいった。
「あやみちゃんは天真らんまんで、いつもハッピーオーラが全開です(笑)。でも、あやみちゃんがそういうスタンスでいてくれたから、すごく癒やされてました。あと、紘菜ちゃんはすごく元気な女の子で、他のメンバーもエネルギーの塊のような子たちだったので、すごくパワーをもらいました。全米チアダンス選手権大会のシーンを撮影するためにアメリカに行ったときも、着いた初日に何時間もプールで遊んで。本当にみんながすごく元気なので、ひかりとしても元気では絶対に負けちゃいけないと思って、パワー全開で過ごしていたので、実はそのときの記憶があまりないんですよね(笑)」
誰かを応援したり、勇気づけるというチアの精神。広瀬は本作を通して、さまざまなことを感じたという。
「私は運の強さが自分の強みで、割と勢いでどうにかなると思っている性格なんです。でも、ひかりを演じたことで、それだけじゃいけないなと思いました。私は彩乃(中条)の『努力してもだめなことがあると思う』というセリフがすごく好きで。でも、その駄目なことも決してデメリットではなく、自分にとってメリットにしかならないと思うんです。たとえ結果が出なくても自分の中で変わるものが絶対にあるだろうし、どんなに落ち込んでも前を向かないと何も変わらない。ひかりのようにがむしゃらに夢中になるものがあることはステキだし、私も努力をしていきたいなとあらためて思いました」
【STORY】県立福井中央高校に入学したひかり(広瀬)は、同級生でサッカー部の孝介(真剣佑)を応援したい一心でチアダンス部に入部する。だが、ひかりは、“全米大会制覇”を目標に掲げる顧問の早乙女(天海)からのスパルタ指導に悪戦苦闘する。
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