HoneyWorksの3人が語る「結成から10年」と「“LIP×LIP”映画」

2020/12/27 19:00 配信

映画 アニメ

愛蔵(イラスト左/CV:島﨑信長)と勇次郎(同右/CV:内山昂輝)©2020 LIP×LIP Movie Project

2人の人生に何があったのかを描きたかった(ヤマコ)


勇次郎と愛蔵による男子高校生2人組のバーチャルアイドルユニット・LIP×LIPは、2016年12月に公開されたHoneyWorksの映画化第2弾『好きになるその瞬間を。〜告白実行委員会〜』の劇中歌「ロメオ」でスクリーンデビューを飾った。
また、その半年前となる2016年4月に公開されたCHiCO with HoneyWorksの4thシングル「恋色に咲け」のMVには高校に入学したばかりの勇次郎が新1年生として登場。2017年12月には前述のアニメとのタイアップによる両A面シングル「ノンファンタジー/必要不可欠」でメジャーデビューを果たし、2019年1月にリリースされた1stアルバム『どっちのkissか、選べよ。』はオリコンウィークリーチャート2位を記録。同年には東京と大阪でのワンマンライブも開催。そして、HoneyWorks10周年記念プロジェクトとして映画化が決定した。

【Gom】楽曲やMVではアイドルらしいキラキラした部分が描かれていて。自分も音楽を始める時に親とぶつかったりしたし、何かを始める前というのは、誰もがちょっと燻ってる気持ちを持ってると思うんですね。もっとこの2人の内面や背景を掘り下げたいなという気持ちが出てきた時に、ずっと一緒にやってきたアニメのプロデューサーさんから、“LIP×LIP”のエピソード0的な部分を描いてみないかという話をいただきまして。2人の生い立ち、アイドルになるまでの過程を明確にしたという感じですね。

バーチャルアイドルユニット“LIP×LIP”。その知られざる結成秘話が、今、明かされる©2020 LIP×LIP Movie Project


【ヤマコ】もともと裏表のあるキャラクターとしてつくったんです。勇次郎は無愛想で、性格はねじ曲がってて生意気。愛蔵はチャラい見た目かつ、ちょっとイケイケでガラが悪い。アイドルとのギャップ、人間味のあるリアルな高校生というイメージでつくったんですけど、どうしてそういう性格になったのかはやっぱり原因があって。何があってひねくれたのか、拗れちゃったのか。2人の人生に何があったのかを描きたかったし、それを含めて、ファンの人に好きになってもらいたいんですよね。

【shito】子供らしいと言いますか、ちょっとトゲトゲした部分や先生な部分もさらけ出さないとファンになってもらえないかなというのもあって。ドキュメンタリーのようにすべてをさらけ出した上で、みんなに応援してもらえるような2人になってほしいし、より彼らを好きになってもらえる説得力のある作品になったなっていう確信があります。

HoneyWorks・結成10周年にふさわしい作品になった(Gom)


愛蔵の兄で、“告白実行委員会”の人気キャラクターである柴崎健や、新キャラクターの高校生4人組ダンスボーカルユニット・Full Throttle4も登場。

ハニワファンにとっては、今後の展開が楽しみになる要素もある一方、劇中では家族との確執や夢に向かって思い悩む葛藤や苦しみ、性格のまったく異なる2人の対立がリアルに描かれており、より幅広い層に希求する作品となっている。

【shito】若い子たちは教室だけが世界だと思ってる人も多いと思うんですね。でも、大人になってみると、もっと世界が広がって、いろんなことが叶ったり、できる場所だってことがわかる。タイトルにもなってますけど、視点を広げて、世界を楽しく生きてほしいっていうメッセージが伝わるといいなと思います。

【ヤマコ】この2人は自分を変えようという思いで一歩を踏み出した。アイドルのオーディションに応募したというところからすべてが始まったので、自分がやりたいと思ってることに対しての最初の一歩を踏み出す、その勇気がとても大事だと思うんですね。2人を応援してくれる人たちにとっても何かを始めるきっかけになったらうれしいし、ライブパートでは彼らの成長も感じ取ってほしいです。

【Gom】これまでは恋愛が軸にあったけど、今回は“夢”や人生の分岐点を描いていて。自分の胸にも刺さったし、初心に返ることもできた。10周年にふさわしい作品になったと思いますね。

(取材・文 / 永堀アツオ)