今回は開催すら危ういのではないかというご時世の中、感染症対策を徹底して有観客での開催に踏み切った運営スタッフさんに敬意を払い、3年連続で仕事始めは「NewYear Premium Party」。
12月のTPDは「東京号泣教室 〜ROAD TO 2020〜」や朗読劇「雨恋ミント inspired by wacci “足りない”」(櫻井紗季、高嶋菜七、橘二葉)、KEIRINグランプリ2020関連の仕事、1月の各舞台への稽古などがあって年末ギリギリまで忙しそうだったが、グループでのライブは約1カ月前、12月6日のダブルアニバーサリーライブ以来だ。
特に12月6日のライブ(第2部)は先代TPDとの誕生30周年を祝うもので、偉大なる先輩方が参加して大盛況だったこともあり、朗読劇へ向けた取材時に櫻井が「だからこそ次のライブへのハードルが上がりますよね…」と笑顔で話していたが、三箇日も終わらぬうちにその不安を吹き飛ばすかのような、“晴天”のパフォーマンスを届けてくれた。
オープニングSEにのせて入ってきたTPD。対バンなので初見の人も多かろうが、チェックが基調の新衣装に身を包んだ全員モデルのようなスタイルの6人がさっそうと現れたら、目を奪われない方がおかしい。
お目当ての人が終わって出て行こうかな、という足取りだった(ように見えた)パーカーの青年の足がピタッと止まったのも納得だ。
それはともかく、2019年は「Hey, Girls!」、2020年は「BRAND NEW STORY」が新年1曲目だったが、2021年の1曲目には最新曲「TALES」を持ってきた。
メンバーもファンも既に大好きな同曲。6日のダブルアニバーサリー第1部でもトップバッターを務めたが、彼女たちの新たな名刺代わりソングになり得る存在感を放っていた。
個人的には歌詞だけでなく、Aメロの歌い出しを少し背伸びした感じで末っ子の橘が歌うのもグッとくるし、終盤に6人が横一列で前へと踏み出す振りもエモくて好き。
まさに笑顔の未来へ走り出すような彼女たちの姿に早くも感極まっていると、2曲目もライブ鉄板曲「SHINY LADY」というニクいセトリ。
リーダー・高嶋の「新年あけましておめでとうございます。東京パフォーマンスドールです。2021年、最高の1年にしていきましょう」というあいさつから、そのまま優しく語り掛けるような高嶋のAメロ歌い出し、“年女”浜崎香帆の気迫がひしひし伝わってくる歌声へとボーカルの襷(たすき)がつながった。
高嶋もそうだが、いつも高難度のボーカルを事もなげに披露する浜崎。おせち料理は苦手な人がいても、おはま先輩(浜崎)のオチサビが苦手な人はこの世にいないだろう。それくらい、浜崎のボーカルは魅力的だ。
3曲目は「Hey, Girls!」。浜崎の「さあ、新年1発目のイベント。最後まで楽しんでいきましょう!」という元気のいいあおりも相まって、言葉は発せずとも会場の熱気の渦は広がっていく。
セルフプロデュースの新衣装になり、ますますまぶしくて直視できない“美容番長”上西星来は、年が明けてもノリノリじょにー状態。横移動も実に気品があって自信に満ちあふれており、距離は余裕でソーシャルディスタンスでも、存在感は超至近距離に感じるほど大きい。
そして、干支の動物に変装させたら右に出る者はいない“無邪気日本代表”脇あかりによる「会場にお越しの皆さん、そして配信を見てくださっている皆さん!これからもっともっとTPDと熱いライブにしていきましょう!」という掛け声から、4曲目「FREEDOM」でますます畳み掛ける。
そんな中、ここで口を滑らせる必要もなかったけど、個人的に前々から櫻井のラップの隠れファンだったりして。
2020年もいろいろなタイプのお芝居で普段は口にしないであろうセリフをたくさん発してきたこともあってか、櫻井のラップはどこかストーリー性を感じてしまう。ご本人は意識しているか分からないけど、立っているだけでも絵になる姿勢の良さも一見の価値あり。
続く5曲目「DREAM TRIGGER」では、大舞台でこそ映えるDIVA高嶋のパワフルボイスに撃ち抜かれた通りすがりのアイドルファンが続出したはずだし、6曲目の「SURVIVAL!!」での脇のヒクイドリ仕込みのキックもさすがの一言。
ショートカット&新衣装でのキックは見栄え的にもカッコ良過ぎる。世界中の鬱屈した空気、人と人との間にできた壁を、そのキックでぶち壊してほしいなと思ったのは私だけではないはずだ。
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