――若冲と大典はお互いに影響を受けるという役どころですが、七之助さんと永山さん自身がお芝居をする中で影響を受けたことがあれば教えてください
七之助:瑛太さんはもう僕があまりテレビのお仕事をさせていただく機会がないので、「うわ、瑛太だ」って感じで…(笑)。僕は映画が好きなので色んな作品で瑛太さんを拝見していて、いつもいい役者さんだなと思っていました。
作品では大典さんが若冲を絵の道に進むように背中を押してくれるという存在で。役どころ同様、瑛太さんに引っ張っていっていただきました。
私はテレビドラマの主演も初めてで不慣れなものなので、ドキドキしながら撮影に入ったのですが、初めて瑛太さんとご一緒した大典さんがこちらを振り返ってニコっとするシーン。
もう目を見た瞬間に「ありがたいな」と。役者としてビビッときたと言いますか、これは役としても役者としても引っ張っていってくれるなと感じました。
僕はもともと女形なので、立役さんに引っ張っていってもらうと能力がのびるというスキルを持っていまして(笑)、相手役さんが心からやってくださらないと共倒れしてしまうような危険性もあり…。
今回は瑛太さんとお芝居をした瞬間に「これは任せておけばいい」と。本当に流れに身を任せながら撮影の約一カ月間、務めさせていただきました。
瑛太:七之助さんとは撮影の前にも本読みやお祓いでお会いはしていたのですが、どうしてもお声を掛けられないというか…。
普段だったら共演者の方と世間話をしたり、コミュニケーションを自分からとろうとするのですが、何か普段とは違ったドキドキ感が芽生えてしまいまして…。
大典は若冲に一目惚れをするというような描写があるのですが、七之助さんご自身も佇まいがきれいで、妖艶さもあり、お芝居の時だけでなく、待ち時間などでも「すごくきれいだな…」と見惚れてしまっているような状態で…。緊張していました。
でも歌舞伎界を担っている方なので、人としての器の大きさや安定感で、僕がアイデアを出したり、思い切った芝居をしても絶対に七之助さんは受け止めてくれるという安心感もありました。
撮影が始まってからもそういった安心感の中で演じることができました。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)