その役作りは、撮影現場から自宅に帰っても、無意識に元子が出てしまうほどだったという。
「お酒を作ってあげたときなど、何げないときに、“今、元子だったよ”って家族に言われることがありました(笑)。話し方やしぐさは常に元子を意識していたので、家でも自然とそれが出てしまったみたいです」
見知らぬ土地でイチからの出直し。しかし、男を踏み台にのし上がってゆくその手法は変わらない。
「元子は夜の街で、孤独に戦っている女性。私もグループのメンバーではないし、一人で責任を感じながら、多くの人に楽しんで作品を見てもらうためにはどうしたらいいのかと考えたりする部分では通じるところがあるのかな。元子って次なるターゲットを決めたときに、黙ってその人の所に行くんです。
今回のターゲット、神代(渡部篤郎)と対峙(たいじ)するシーンを演じて思ったのは、“元子もきっと緊張や恐怖を隠していたんだな”ということ。私自身も渡部さんを前にして、緊張しました。そういう気持ちを押し殺して、目的のため突き進んでいるんだというのを改めて知った気がして。固唾(かたず)をのんで見てほしいシーンです」
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