――2021年で「遺留捜査」は10周年を迎えましたが、その心境は?
特別何かが変わるわけではないのですが、毎回、作品が続くこと自体が奇跡だなと思っているので、今回も同じだけの奇跡を感じながら新鮮に臨んでいます。続けているという感覚よりも、そこに生まれたものに毎回向かっていくだけなので、毎回、新鮮に演じられているような気がします。例えば、お父さんが課長から部長に昇進したら家族が鯛の尾頭付きで祝ってくれたりすると思うんですけど、「遺留捜査」が10年目って言われても、「あ、そうなの?」という感じで、出てくるものはサバの塩焼きですよ(笑)。でもタイよりおいしい!そんな特別より上の奇跡を毎回感じているような気がします。
――京都を舞台にした冬の撮影は初ですが、いかがですか?
冬の撮影と聞いた瞬間、僕、真っ先にスタッフに「糸村さんは大丈夫?」と聞いたんですよ。糸村という役柄を崩さず、でも何か羽織らないと心配だな、と一番に思ったので…。村木は科捜研から外に出たとしても、自家発電のようにテンションを上げれば寒くないので、僕は大丈夫です(笑)。
――新メンバー・戸塚純貴さんの印象は?
僕の場合はいつも“科捜研”という離れ小島にいるので、戸塚くんともそんなに会っていないのですが、「なんだ、こいつ!?」みたいな感じを醸し出していていいなと思いましたね。今回のシリーズはまた厚みが増したなと思っています。
――今年の抱負を教えてください!
(「村木」という役名をちりばめたフリップを披露し…)この意味は「今を大切に生きよう」です。私にとって今は「遺留捜査」の村木が全てなので、「今(=村木)を大切に生きよう」ということです。「村木」の中に「村本」を紛れ込ませたのは、失敗したときも「しまった!」と思い詰めるのではなく、「『やっちゃったー!』って笑っちゃおうよ、余裕を持っていこうよ」というメッセージ。この抱負にはいろいろな意味が詰まっております!
――10年の歴史の中で特に印象に残っているストーリーやシーンは?
栗山さんが、村木の“ヒール回”を挙げてくださいましたが、ヒールなんて履いたのはあの時が初めてでしたし、立っていることもままならない状態だったので、その時初めて女性はすごいなって思いました。途中で何度もヒールが折れてしまい、大変でした。
あと、やはり印象に残っているのは、僕がピンチに陥ったスペシャル回ですね。脚本を読む前に、マネジャーから「次の脚本送りました。追伸、撃たれます」ってメールに書いてあって衝撃を受けて、実際に脚本を読んでさらにビックリしました。一番気になったのは、村木が撃たれたら糸村さんはどうするんだろうということ…。そこにすごくドキドキしたことを覚えています。
――今後、「遺留捜査」で挑戦してみたいことは?
実は、毎回挑戦しているつもりです。役者は毎回、脚本が届いてから挑戦が始まります!
――「遺留捜査」ではアドリブはどのようにして生まれているのですか?
数年前までは現場に入る前、僕が思いついたことを上川くんの楽屋に行って伝えて、上川くんも「僕はこう思っているんだけど」と返ってきて、それをすり合わせていく状況でした。でも今は、現場で突然始めています。そこが10年目、ということなのかもしれません。どちらかがポーンと始めると、いつの間にか相手がついてくる、という形になっていて自然体でやっています。脚本があってこそそれができるということが大前提ではあるのですが、脚本を変えたならその上をいかないと、必要ない存在となってしまう。だから一発目からドキドキです。
――小田和正さんが手掛けた第6シリーズの主題歌「風を待って」を聴いた感想は?
この主題歌が、どんな風に「遺留捜査」にマッチしていくのか、楽しみでなりません!
――最後に視聴者へひと言お願いします。
第6シリーズ、そして10年目ですが、今回は今回が全てと思って、またテンション高く頑張りますので、ぜひ見てください!
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