――番組を通して伝えたいことは何ですか?
僕は静岡県中部に生まれ育ち、大井川の恵み、自然の恵みを受けて育って、東京に出てきたので、改めて自分の生まれ育った地域のリニア問題に向き合えました。リニアのことに集中しがちですが、国全体の安全や強靭(きょうじん)化、とりわけ防災対策という面や物流の確保という面も考えなければなりません。
静岡でもし近い将来、地震が起きてしまった時に、静岡以外の皆さんに助けてもらうこともたくさんあるかもしれません。そういう意味で、リニアは象徴的な技術的な部分ではあるけれども、防災国として強くなるためにすごく大切なことだと思うので、ぜひ、リニアが静岡県民、そして全国の皆さんが納得できる形で実現できるようになればと思います。
――収録を終えての感想を教えてください。
「池上さんのMCでリニア番組ありますよ」とオファーいただいた時に、(リニアが完成したら)「こんなことができるよ」「あんなことができるよ」という楽しいバラエティみたいな感じの番組を想定していました。もちろん、そういったこともありましたが、いや、そうはいかないという誰かが犠牲になっているというか、(水問題の影響を受けた)農家の人などの話を聞けて、改めて今の時代にリニアというものが必要なのかということを考えさせられました。
――新しい発見はありましたか?
僕の注意不足でもあると思うんですけど、東京とか、大阪でこんな(リニア問題の)ニュースは見たことがなかったんですよね。静岡の問題を静岡で話し合っているイメージでした。リニア問題を知らずに夢の乗り物ということだけで見ていたので、全国民がこれ見ないといけないなと思いました。
――池上さんにリニア問題を解説してもらっていかがでしたか?
リニア新幹線のことや静岡県民の皆さんが困っていること、何となくニュースで見て知っているつもりになっていたけれど、知らないことばかりでした。理解を深めると、いろいろな意見があって、それぞれの意見に「なるほどな。その通りだな」と思うことがありますし、簡単に一言では片付くものではありません。
リニアは明日、あさってに完成するものでもないので、理解を深めつつ、解決に向かっていく必要があるんだなと思いました。リニアは速い乗り物だけど、みんなの考えや計画を最速で進める必要はないなと思ったので、ゆっくり考えるべきだと思ったし、私自身ももっと詳しく勉強していきたいなと思いました。
――全国のみなさんにどんなことを伝えたいですか?
リニア大好き人間としては、ぜひ、リニアの魅力を知っていただきたいのですが、なぜリニアの開通がなかなか進まないか…ということも本当に大事なことですので、両方の面でじっくり見ていただきたいです。
――番組の見どころを教えてください。
全国放送ということで、別所さんは大井川流域の出身、土屋さんは鉄道ファン、川島さんとウイカさんは、この問題について今までそこまで知らなかったというさまざまな立場の方の意見を交えながら、収録ができてとても良かったと思います。今回、私も池上さんと一緒にリニアに乗りましたが、乗ってみて初めて分かることもありましたし、さまざまな視点からお伝えできると思います。
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