――シンガー・ソングライター、アーティストとして、コロナ禍で思ったことを聞かせていただけますか。ライブができないことに対する思いなど。
僕自身、このような状況になったからこそ見えることもありました。音楽ライブは配信ライブがメインになり、みんな家にいながら聴くことができ、どこにいても音楽の生ライブや、アーカイブを見られる状態です。ライブをより手に取りやすくなったのかなとも思います。
アーティストとしては、生ライブが一番感動すると思うんですよ、絶対に。直接目の前で歌って、音が腹に響く感覚というのは、やっぱり生ライブでしかない感覚なので、それはすごく悔しいところはあります。
けど、新しい配信の形がどんどん出てきたのは面白いなと。そしてずっとやっていくべきことなんだろうな、そういう時代になるんだろうなと思います。
音楽が手に取りやすくなることはいいことですが、取りやすくなる分、聴き手が選べるものも多くなるので、その中で自分を選んでもらうにはまた努力が必要になりますよね。
コロナが収まった時に音楽ファンが何を求めるか、やっぱりみんな生ライブを求めると思うんですよ。生ライブの価値は絶対上がっていて、生ライブでの盛り上がりをみんなが期待している。自分自身もそれはとても楽しみにしています。
一方で、生ライブを配信でも見られる時代になると思うんです。両方をやる状態になる。そうなったとき、目の前のお客さんを感動させつつ、画面の向こう側、東京でのライブだったら北海道や沖縄の来られなかった人たちまで楽しめるような仕組みを考えていかないといけない。ただ見せるだけじゃなくて、何かがないといけないんじゃないかと考えます。
今思いついたんですけど、会場で、オヌキ諒だったり、碧琥夕陽の香水を作りましたと発表する。その香水の匂いを、遠方の人がかぐことができるとか。ライブ中に火花が上がったら、配信で見ている人にも熱風が吹き付けるとか。夢の話かもしれないですけど、そういう臨場感。VRや映画館でやっているものもありますけど、遠方でも楽しめる技術を、切磋琢磨して考えていると思うんです。それを取り入れつつの生ライブ。生ライブと配信、両方をアーティストは意識して活動するべき、僕はしていきたいなと思います。
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