匠の技・大川組子の職人親子の仕事を追う<世界一の九州が始まる!>

2021/01/29 21:05 配信

芸能一般

1月31日(日)放送「世界一の九州が始まる!『真の技を継ぐ大川組子』」より

1月31日(日)の「世界一の九州が始まる!」(毎週日曜朝10:15-10:30、RKB毎日放送ほかJNN系九州各局)は、RKB毎日放送放送が製作。福岡・大川の伝統工芸、大川組子の職人親子の仕事を追ったドキュメンタリー「真の技を継ぐ大川組子」を放送する。

家具の生産量日本一の福岡県大川市に300年の伝統を持つ大川組子。組子の基本は三角形の地組だが、中の図柄は百花繚乱。繊細な意匠の一つ一つが集まってできる建具には、無限の宇宙が宿っているかのようだ。

大川組子


三組手(みつくで)と呼ばれる三角形の地組の中に、木片を組み合わせて図柄を描く組子細工。杉やヒノキの木片は繊細に削られ、緻密な角度がつけられる。パーツの中には、切込みを入れ、木の皮一枚残して一つにつながったまま折り曲げて作る、技術を極めたものさえある。

釘を一切使わず、多い時には数万個の木片を、ミクロン単位の誤差もなく複雑に組み上げるのは超高度な技術だ。計算され尽くした木片の寸法と先端の角度に、経験でしか得られない職人の感覚が生きている。

【写真を見る】匠の技がつぎ込まれた組子の部材

釘を使わない組子細工では、強度の確保も難しい。そこで、ホゾを使った組みつけも行うことで強度を増す。部材は精巧にかみ合い、一枚の板のような頑丈さとなる。

匠の技を注ぎ込み、曲線さえも自由に操り表現した作品は、見る方向や光によって表情を変え、美しい光と影の空間を演出する。

1月31日(日)放送「世界一の九州が始まる!『真の技を継ぐ大川組子』」より

大川市の仁田原進一さん(58歳)は、全国建具展での入賞経験豊富な建具・組子職人。2人の息子の辰宏さん(32歳)・進二さん(30歳)とともに本物を追求する職人として知られる。

仁田原さんは、熊本地震を乗り越えてこの春にオープンする旅館「源翠朧(げんすいろう)」に組子建具を納めた。レストラン棟の8面の戸は、まるで壁画のようで、圧倒的な迫力がある。

後世に恥じない作品作りに努力を惜しまない大川組子職人親子の挑戦を追う。