――瀧悠輔監督の演出で印象的だったことを教えてください。
水川:台本通りに読むと、暗い話になりかねない作品だと思います。でもそれを少しポップに、栄利子の滑稽さを逆手にとって演出していただきました。
山田:セリフの“間”はよく言われました。なぜ間を置くのか分からないんですけど、セリフが途端にイキイキと変わるんですよ。あと、翔子の仕草を弟や父親もするという演出も、シンプルですが“家族”を表現していて、面白いなと感じました。
水川さんと芝居をしていて「それ面白いね」と言ってくださったり、監督がアイデアをくださったり、有機的に変化していく現場でした。なので、緩急のある作品になっていると思います。
――会社員の栄利子も主婦の翔子も、友達がいないことがコンプレックス。大人になってからの友達作りについていかがですか?
水川:大人になると、良い意味でも悪い意味でも状況が読み込めたり、相手の気持ちが分かったりするので、学生時代のような感じで友達を作るというのは少し違いますよね。作品で出会った方たちも、プライベートなことを話し合う関係になっていく人もいれば、プライベートはあまり話さないけど、お仕事のことを相談できたりと付き合い方はさまざまです。
場面や人によって、自分の見せる一面が違っていて、それでいろんな仲間ができていくというのが、大人になってから付き合う面白さかなと考えます。
山田:そうだよね。一人に全部を求めようとすると、栄利子みたいになってしまう。
水川:共感を求めてしまうとね。それぞれ違うからこそ友達って面白いですよね。
山田:学生時代って損得勘定を考えないじゃないですか。「この人と仲良くなったら仕事がしやすい」とか、大人になってよこしまな考えが入ると、友達って作りにくいのかも。
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