――撮影の中で特に印象に残っているシーンはありますか?
安達:2人のシーンで言うと、雪乃の場合、さまざまなことを全て忘れてしまうから、晴信さんを愛していたことも忘れてしまうんですよね。自分の中の愛の蓄積がなくなっちゃうから、毎回ゼロからのスタートになるんですけど。それでも回を重ねていくごとに、もし記憶をなくしても、この人はまた自分を愛してくれる、変わらずに好きでいてくれるっていう安心感が雪乃の中で少しずつ積み上がっていく感じがあって…。ドラマの中では、雪乃が記憶をなくしてしまうこともあって、夫婦だけど触ったりする場面は全然なかったりするんです。でも、これはちょっと先の話になっちゃうんですけど、ドラマの後半で少し雪乃が晴信に触れるシーンがあって。そのときに、やっと2人が愛情を交わせたような喜びを感じて、私の中では印象に残っています。
眞島:僕は逆に晴信が1人でいるシーンが印象に残っています。普段、雪乃の前では本当に穏やかに振る舞っているから、余計に切なさが沁みるというか。それから、2話の最後にあった、いきなり雪乃がいなくなったシーン。
安達:あ!(笑)
眞島:実際はお店の外にいるだけで、台本でも、あれ? 雪乃?って感じでつぶやくような口調なのかなと思ったら、監督の演出で絶叫することになったっていう(笑)。
安達:そうそう! 喉がカラカラになるくらい絶叫して(笑)。すごかったですよね。
眞島:ああいうのが深川さんの世界観の面白いところで。
安達:そしたら、監督が、雪乃さんも叫びましょうっておっしゃって(笑)。もう、到底叫ぶなんてイメージできないシーンなんですけど。そういう奇想天外な演出が面白かったし、演じるやりがいみたいなものも感じました。
――今夜放送される3話の見どころを教えてください。
安達:3話では、どこか違和感があるくらいだった雪乃が、初めて記憶をなくす人であることが分かるストーリーになっています。私自身、台本を読みながら、ある種の衝撃を受けたというか。雪乃が認知症であることは分かっていたけど、本当に記憶をなくしてしまうこと、記憶をなくした雪乃がどうなるのかを、私も初めて体験しながら演じていました。でも、それだけではなくて、そんな雪乃に対して、人間はいろいろなことを受け入れて、それで生きていくんだよねってことを周りの人たちが伝えてくれる話でもあって。そういうメッセージがすごく心に刺さる回になっていると思います。
――眞島さんはいかがですか?
眞島:安達さんが今、全部言ってくださったので、何も付け足すことがないです(笑)。
安達:あはは。
眞島:あとはもう、僕らもどういう形でドラマが完成しているのか想像がつかないところがたくさんあるので。僕もオンエアを楽しみにしています。
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