広瀬すず、初共演の宮沢氷魚は「マイナスイオンが出てました(笑)」<Interview>

2021/02/15 07:00 配信

ドラマ インタビュー

広瀬すず撮影:SHIN ISHIKAWA(Sketch)

一人の時間がないと駄目なタイプ


――今回の作品は“言葉”がテーマの一つとなっていますが、これまで人から掛けられて印象的だった言葉はありますか?

「怒り」(2016年)の李相日監督に「自分とは勝負しないの?」と言われたことがあって、それはずっと引っ掛かっています。自分が負けず嫌いというのもあるんですが、何かの話の中で追い込まれている状態で話をしていたんです。その時に「じゃあ、何で自分と勝負しないの?」と言われた時に、言われたくないことを言われた感じというか。しっかりしてなかったなと感じました。

自分との向き合い方を知らなかったなと気付かされました。それまで向き合ったことがなかったから、いまだに(その言葉が)引っ掛かるし、いまだに思い出します。お仕事でもプライベートでも「あ、これが今自分との戦いの瞬間か」と感じることが増えたので、頑張らなきゃとか、そういうことを考えることが増えました。

――では、“言霊”を感じたことは?

あまりないですけど、もしかしたら気付いてないだけもしれないです(笑)。実感したことはないですね。

――俳句は短い単語の中で自分の気持ちを表す感性が大事だと思いますが、今回演じてご自身の感性が磨かれたと感じたことなどはありましたか?

杏の視点は他の人と違うというか、言葉で並んだ時にみんなから「独特な感性ですね、感想ですね」と言われるんです。杏が初めて俳句を作った時にも、田辺誠一さん演じる本宮先生からも言われるんですけど、ちょっと人と感性が違うのかなって。想像力がどこまでもいっちゃうような女の子だったので、自分の感性が追いつかなくて…。

――広瀬さんはそこまで想像力が飛んでいくタイプではないと?

自分の中で作った俳句は、想像しながら「これやったら想像してもらえるかなぁ」とか考えてやっていたんですが、割りと自分のできた想像が100伝わるかと言われたら、半分くらいしか伝わらないというか。それでも、100届く言葉の並びを考えてやると、すごく体力も使うし頭の回転も使うので、そう考えると句会も一種のスポーツのような感覚になりました。

――では、杏とご自身が似ている部分はありますか?

いや…(笑)。「人と関わるとろくなことがない」ってせりふがあるんですが、ろくなことがないとは思わないけど、自分の中で解決して、自分の中で世界が変わった方がストレスも減るじゃないですか。

人と関わることはエネルギーがいるんですね。その分、倍楽しいし、うれしいこともいっぱいあるし、人は好きなんですけど、私は一人の時間がないと駄目なタイプなので。根本的に一人でいたいなぁというか、自分の中だけで世界がうまくきれいに回ったら楽だろうなぁという杏の気持ちは分からなくはないです。

そこは違和感なく、その感覚に近しいものを理解できた気がします。

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