――“推し”がいることについてはどのように思いますか?
没入できるものがある人は、自分の世界をきちんと作れる、居心地のいい空間を自分の中で持てる人というイメージです。推しがあることによって色んな景色を見せてもらえることも魅力ですよね。僕自身は中学生の頃、CDショップの試聴で「天体観測」を聞いてからBUMP OF CHICKEN(通称・バンプ)の大ファンで、バンプさんのおかげで楽しかった事はたくさんありますから。
人生、どこで誰を好きになるか分からないですが、推しは絶対あった方が楽しいと思います。
――本作で描かれた、オタクならではの感情の起伏には共感できたんですね。
劔が“あやや”の曲を聴いてすぐに自転車でCDショップに買いに行くシーンがあるんですが、好きになったらいても立ってもいられないあの感じ、すごく分かります。
あと劔が“あやや”の握手会に当たって握手してもらうシーンのドキドキは分かるなんてもんじゃないです。僕なんてバンプさんのライブとか全然当たらなかったので、本当にうらやましいですよ。
――今回、松浦亜弥はハロプロ所属のBEYOOOOONDの山崎夢羽さんが演じていましたが、その完成度もすごかったですね。
驚きました。あやや役って誰がやるんだろう?と気になっていたのですが、実際にお会いしてみると本当にそっくりで。山崎さんもかなり研究されたらしく、あのシャキシャキした話し方や笑顔など、僕が中学生の時に見ていた松浦亜弥さんとすごく重なりました。
握手会のシーンはリアルに劔のような気持ちになり、緊張しましたね(笑)。
――松浦亜弥さんを含め、ハロプロの曲をたくさん聞かれたと思いますが、改めてハロプロの魅力は何だと思われますか?
曲自体に強さがあってすごく元気をもらえるんですよ。
今回、改めて松浦さんの曲などを聴き直しましたが、つんく♂さんって本当にいい曲を書くと今更ながら気づきました。そして松浦さんの歌の上手さに驚きました。アイドル性はもちろんですが、アーティストとしても圧倒的。時代を築きあげたアイドルのすごさを感じました。
あと、モーニング娘。’19のライブに行かせていただいたんですが、当時のモーニング娘。から輝きが全く失われておらず、良さが脈々と受け継がれていることはすごいと思いました。皆さんの努力もあると思うのですが圧倒的ですよ。そして実際に会場に行って思ったのは、ファンも魅力的だなと。ハロプロと共に年齢を重ねただろう40代とかの根強いファンと新規だと思われる若い方々が入り交じっていて。多くの人を魅了していく素敵なグループだと改めて感じました。
――当時のことを知っている人はもちろんのこと、まだ若い人も楽しめる作品になっていますね。
改めて自分の“あの頃”について考えるきっかけをくれる作品になっていると思います。劔をはじめとした仲間たちを見て、あんな仲間がいることをうらやましいと思ってくれたらうれしいです。
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