ドラマ主題歌「追い風」をリリース!SHE’S「基本は音楽が好きで作ってるので、そこはぶれないでいたい」

2021/02/17 08:30 配信

音楽

【写真を見る】「転がるよりは立ち上がっていく言葉を描きたかったんです」と話す井上竜馬撮影=諸井純二

手は汚れてるままで、一度した過ちは消えてない

ドラマと同様、あらゆる傷ついた人に対して追い風を吹かすような力強い歌詞になっている。

井上「サビの『生きていくものだけに吹く追い風』って1行がキーワードになるなって思っていて。失敗と更生を描いていくドラマだから、転がるよりは立ち上がっていく言葉を描きたかったんです。1番も2番も最後の落ちサビでも“花”に関する言葉が出てくる。僕は家に観葉植物があるんですけど、生き物なので外に出して風を浴びさせないといけないっていうことを知って。
それまでは、家の中でも陽を浴びて水をあげてたら生きてるって思ってたんですけど、そうじゃないんだって。あと、僕が好きな漫画に、一回折れちゃった茎をハサミで切るとまた伸びてくるっていうエピソードが出てくるんですけど、それも人の再生に似てるなって思って。人生も一回切り取ってやり直せば、風も吹くし自分も育つっていうのが、自分が設定した“花”っていうモチーフとリンクするなって思って、それを一貫して歌詞を書いたんです」

服部「俺、『降りしきる雨も背中を押すよ』って歌詞が好き」

井上「あ、ありがとう(笑)」

広瀬「俺が好きなのは『君らしくいられる 何処かへ行こう 荷物はいらない』っていうところ」

井上「(笑)。俺は、『汚れた手と洗い流した足』っていうのが結構気に入ってる。“手を汚す”っていう言葉がありますけど、更生する時は“足を洗う”って言うじゃないですか。だから、手は汚れてるままで、一度した過ちは消えてないんですよ。最近それに気付いて鳥肌が立って。過去の罪は消えないから、それを受け入れた上で前に進んでいくっていうのが、日本語の美しさなのかなって」

服部「今それ聞いて、そこの歌詞が一番好きになった」

井上「(笑)」

木村雅人(Dr)「確かに『ここどういう意味なんやろ』って思ってた」

井上「1番と2番のリンクはどの曲でもある程度意識はしてるんです。『追い風』だと、1番で『一度折れた花』って書いた後、2番で『花弁はとうに閉ざされた』っていうリンクがあって。1番は、特に書き下ろしのタイアップだと一番流れる機会が多いから、間口の広い歌詞にしたいんですよね。できるだけディティールを描かない作り方をしていて。それで2番で詳細を描くっていう。2番の『貪った孤独の味はどうだい』って結構攻めた表現だと思うんですけど。それは1番ではできないなって思いましたね。でも全体的に、『Tragicomedy』の作詞から、こういうふうに強気にものを言う変化をしたので、そこが無意識に出てるのかなとも思います」

木村「例えば『向かい風に立ち向かっていく』っていう歌詞じゃなくて、追い風をテーマにして背中を押すことを書いてるのが最近の竜馬っぽい、SHE’Sらしさになってるのかなって思いました」

井上「ほんまやな。俺、向かい風のことは考えてもいなかった」

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