──ご自身がアーティスト活動をされる時に、ビジネス的な視点も大切にされているのでしょうか?
僕はビジネスにならないようなことを考える仕事の方が多いんだけど(笑)、ビジネスのことを分かっているからできることもありますよね。
「売り買いできないものって何だろう?」とか、「今は注目されていなくて、売れていないものって何だろう?」ということをまず考えるのね。それにアイデアを加えて売れるようにしてもいいと思う。
だから、ビジネスは知っているに越したことはないんですよね。過去の例から「昔の人はこう考えていたのか」っていうのが分かったら、「じゃあ僕だったらどうなるのかな?」って考えるし。発想の源になりますからね。
──今回の収録(「相撲」の回)でも両国国技館のお土産について意見される場面がありましたが、これも新たなアイデアが湧いてきたということでしょうか?
今のお土産は、一辺倒なんだよね(笑)。お土産界ってすごく進化しているから。一時はかわいいものばかりになったお土産も、アジアの工場で作られるものに変わったりね。
何でも新しいものを導入すればいいってわけじゃないけど、もう少し考えた方がいいんじゃないかなって。
──「おしゃれなタイアップ」というキーワードも出てきましたね。
江戸時代には特に、しゃれたものが多かったと思いますよ。
──では、この番組がタイアップ企画をやるとしたら、どんなものがいいでしょうか?
「真田幸村」がテーマの時に、おばあさんたちがいい織り物を作っているのを見たのね。それで名刺をもらって、自分の好みの布を一反作って、それを着物に仕立てたの。
例えば、あえて言わなくてもそれを番組の中でさりげなく着ているっていうのが、タイアップになるんじゃないかな。スタッフみんなで作った同じ浴衣を着て、ロケをするとかね。
企業とのタイアップではなくて、地方各地の文化とか職人たちの要素を取り入れたら、この番組ならではのおしゃれなタイアップになるんじゃないかな。遊びがあると見ている人も信頼するし、わくわくするでしょ?
──相撲には、もともと興味があったのですか?
何回か見に行ったことはありますし、民俗学として相撲の起源に興味もありましたね。江戸時代の力士は、相当なお金持ちだったんですよ。殿様級の財力を持っている大スター。
だから「どうしてそうなったのか」とか、「力士の周辺にどういう経済活動があったのか」を知るのは面白いですよ。
──最後にあらためて、今回の見どころをお聞かせください。
相撲の面白さは、19年ぶりの日本出身横綱が誕生したとか、そういうぼんやりしたことだけじゃないってことを伝えたいですね。相撲というエンターテインメントがどうもうけてきたのか。そこを明かすのが今回の見どころですね。
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