――タイトルが独特ですが、どんな意味が込められていると思いますか？
“スイカと絆創膏”って確かに変わってますけど、両方とも桐子の青春のひとかけらなんじゃないでしょうか。人を好きになったけど、それを直球で言うのはすごく恥ずかしいので、その人からもらったスイカと絆創膏が夏の思い出…っていうことですよ。スイカは女性の先輩からもらったもので、絆創膏は男性の先輩からもらったものですよね。大したものじゃないけど、本当に好きな人からもらったら物だと、すごく思い入れができるじゃないですか。例えば、ペットボトルのドリンクに付いているおまけみたいなものでも、もし、それが“あゆ”からもらったものだったら、それはもうわたしにとって一生の宝物ですから（笑）。そういう意味が込められたタイトルなんだと思います。
――桐子を演じる上で気を付けていた点を教えてください。
最初、台本を読んだ時には、桐子って普通のドジな女の子だと思ったんです。運転して路地に迷いこんじゃった時でも、「うわぁ、どうしよう…」って困っちゃうような。でも、監督が撮影当日に「おっさんぽく演じて」っておっしゃったんです。「ちょっと仲さんぽく…、おっさんぽくして」って。“仲さんぽく…”は余計じゃないかと思ったんですけど（笑）、台本のイメージのまま演じちゃったら、ただかわいくておっちょこちょいな女の子になっちゃったと思うんですよね。彼女が女子たちの輪に入らない理由が、ただ単に嫌われているからだっていう風に見えちゃうような、そんな女の子になってしまったと思うんです。でも、実際にはちゃんと友達もいて、あくまで桐子自身のペースで輪に入らないわけですよ。水田先輩も、おっさんぽい桐子だからこそ彼女にあまり女の子を感じなかったんだと思います。だから役作りの上では声のトーンとかもあまり作らずに、自分のままで演じることができました。それでも、やっぱり桐子とわたしは似ていないんですよね。わたし、あまり人を好きにならないんです。滅多に“うわぁーっ！”って思えるほどの人には出会えない。本当に尊敬できる人じゃないと好きになれないんです。だからこそ、尊敬できる“あゆ”は好きなんですけどね。20代になったらそんな人と出会いたいですけど、出会えるかな〜（笑）。
――過去の出演作では変わった役を演じることも多かった仲さんですが、桐子のような“普通の女の子”を演じる気持ちをお聞かせください。
等身大の役って、相応した年齢でしか演じられないですし、うそがないって感じられるので好きです。台本に“ここで泣く―”って書かれていても、役に成り切った上でそういう感情になれなかったらうそになっちゃうじゃないですか。等身大の役を演じる時には、ちゃんとそこで泣けるようにその人物に成り切るようにしているし、それができると思うんです。その時々にしかできない役ってあると思うんですよね。わたし自身が以前に演じた役でも、今やろうとしてもできない役ってあると思いますし。
――今月18日に20才の誕生日を迎えましたが、今後の抱負を教えてください。
車の免許を取りたいですね。この作品でも運転するシーンがあって、共演した石黒くんに、『覚えるの早いね。すぐ免許取れるんじゃない？』って言ってもらえました。ただ、そう言った石黒くんも免許を持ってないんですけど（笑）。車で旅行とか行きたいんですよ。いつも家族と一緒だったり、仕事でしか旅行していないので、一人旅とか友達と一緒という旅にはあこがれますね。
――最後に作品の見どころをお願いします。
一見、“夏の恋物語”という簡単なストーリーのように見えますけど、キラキラしたものがいっぱい見つかる作品だと思います。皆さんにもキラキラを感じてほしいですね。配信されるのは冬ですが（笑）、夏を思い出しながら温かい気持ちになってください。
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