泉美の立ち位置は、本作の主人公・仙夏の恋敵。仙夏は、泉美と蔵地が仲良くデートしている姿を見る中で、少しずつ蔵地への思いを自覚。恋の切なさを感じていく。
こうした展開で視聴者が、とくに女性の視聴者がまず共感するのは主人公である仙夏だ。思い切りがよく、「咲かれた場所で咲き誇る」をモットーに人生を切り開いていくカッコいい仙夏だからこそ、恋の胸の痛みに涙する姿は切なく、応援したい気持ちにさせられる。
であれば、仙夏の恋敵である泉美は視聴者にとっても“敵”になってしかるべきだが、泉美の場合、そうはならない。なぜなら、泉美はものすごく人間的なのだ。不器用で、思いを上手に伝えられずモヤモヤもする。それでも健気に蔵地を思って涙する…その姿からは、一生懸命に恋をする切なさ、素直な感情の揺れがしっかりと伝わってくる。
視聴者からも「泉美ちゃんの決断に涙…」「泉美、切ない」「幸せになって!」といった応援の声が上がる。その不器用ぶりに、主人公の恋敵にもかかわらず思わず応援したくなってしまう…そんな魅力が、泉美にはある。
泉美を演じる吉谷は、子役から活躍してきた女優。5歳の時にドラマ「最後の家族旅行」(1996年、TBS系)で子役デビューし、数々の作品に出演してきた。
2016年「ビズリーチ」CMの女性社員役で一躍注目を浴び、ドラマ「陸王」(2017年、TBS系)のこはぜ屋社員・美咲役、「ハケンの品格」第2シリーズ(2020年、日本テレビ系)の派遣社員・亜紀役などで印象を残している。今年は「ハルとアオのお弁当箱」(BSテレ東)でハル役を演じたほか、「江戸モアゼル」と同じく今期放送されている「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」(日本テレビ系)では、ピュアな大学生・光(岡田健史)を惑わす年上の悪女を演じ、新たな魅力を発揮した。
蔵地の前での恋する乙女な表情とは対照的に、オレ様社長・鳥居(前田公輝)の前ではなぜか強気で男前な態度を見せるのも、泉美の魅力の一つ。第8話ラストでは、泉美と鳥居の間に新たな関係が生まれそうな予感も…。クライマックスに向け、仙夏、蔵地、泉美、鳥居、そして長兵衛(一ノ瀬颯)、寿乃(山口まゆ)も加わった6人の恋模様がさらに入り乱れていく。
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